『トート閣下のコンプレックス』~「珠城さん」インタビュー記事より~
雑誌「BEST STAGE(2019年1月号)」の「珠様インタビュー記事」で、
「珠様」が、小池先生から『エリザベート』お稽古中に指導された言葉や役創りについて、語っておられました。
「トートの感情をもっと出して欲しい」
と小池先生から言われ、冷淡?な印象のある「トート」に対して、
どれ位まで、感情を表に出せばいいのか、悩んだそうです。
次の言葉が、個人的ツボでした!
「トートのコンプレックスを考えてみなさい」
「生きているエリザベート」に愛されたいのに、
受け入れてもらえるのは、彼女が「死んだ時」。
自分(トート)が「死」という存在であること・・・これがコンプレックス!!
「トート」に関しては、過去に演じた方によって、印象が変わるものの、
この「人間らしい感情(コンプレックス)」は、
「トート」像に対する一般的イメージだと、思います。
「一路真輝さん」も、歌詞「青い血が流れる~♪」に葛藤(人間でない苦悩)を感じた、
みたいなことを、本で読んだ記憶があります。
私は、しつこく書いてる通り、理解力が乏しい人間です。
なので、「コンプレックス」とは捉えていなかったので、新鮮でした。
これが印象的だった、と書きたかっただけです。後は、つぶやきです。
どちらかと言えば、
「絶対的な自信」を持つ自分が拒否され、受け入れられず、
手に入れられない「悔しさ」。
今まで、こんなに悔しい感情を抱いたことがない、これが「恋?」
という感じで、受け止めてました。
「コンプレックス=劣等感 」の印象があるので「トート閣下」には似合わない・・・
というわけで、
この言葉が印象的でした。
珠様は、「コンプレックス」で、腑に落ち、
自分なりに、一本筋の通った「トート」像が見えたということでした。
『エリザベート』という作品では、個人的に、
内面の感情部分の演技は、主に、
「エリザベート」「フランツ」「ルドルフ」の生き方(役創りの印象)
「ルキーニ」の人物像の描き方(狂人度)
こちらを見てしまいます。
「トート」は、過去10名の方々は、外見も雰囲気も違うので、
各トップスターさんの「持ち味」の魅力を活かして、
「トート」を、ご自身へ近づけている印象が、「役」の中で一番強いです。
なので、「魅力の違い」を主に観てしまいます。
前述した、他の「役」も(人によっては)同じかもしれませんが、
「トート」の違いが、一番大きく、印象(雰囲気)が違うだけです。
「死」の解釈は色々。。
でも、この「トート」の違いが「宝塚版」の魅力°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
(トップスターさんが「トート」主役で、演じる点で)
個人的には、
「珠様トート」は、壁にもたれて、腕を組んで考えているところや
「悪魔系」の笑みが魅力的で、恋に身を焦がす感情は、あまり印象がなかったです。
元々、「珠様」に対しては、
揺るがなさそうな、どっしりした安定感や、静かに自信がある雰囲気で、
「役」に説得力を感じさせ、それが、包容力に繋がる印象。
それだけに、感情を爆発させる(しかも、恋!)系は、あまり印象に残らない。(失礼)
でも、その自然さも、演技なんだと、当たり前ですが、思いました。(褒めてます)
語り口に、舞台全体から「役」を考えてる印象を受けました。
とりとめもなく書きましたが、
この記事を読んで、
・ 次は、「コンプレックス」という視点で「トート」を観たいと思った。
・「珠様」に対して、抱いてる印象が強まった(舞台と合わせて)。
若くして、トップになられて、重責を背負われているのに、
淡々と(一見)マイペースに、こなされている辺り、強い、逞しい、頼もしい!!
冷静さと客観性を持った「演技派」の印象が強まりました。
(「美園さん」と共に「芝居好き」らしいです。)
次回の舞台が、楽しみです。あっという間に2年・・・
この「淡々と」が、少ーし前の「明日海さん」に被ります。
「淡々と」は、あくまで個人的印象ですが、「淡々と」系は、末恐ろしいイメージ。
雰囲気や持ち味は、全然違います。
個人的には、「悪魔系トート」(非人間系の印象が強い)が好きなのですが、
「人間的なトート」の部分に注目し、
東宝版『エリザベート』の「井上さん」「古川さん」がよぎりました。
( 「男性」が演じる方が、より「人間的な部分」が見えそう・・・)
これまた勝手な予想ですが、「古川さんトート」に感じるかな!?
と、『M・A』で、「愛の感情」の豊かな演技が印象的だったので、
期待し、楽しみです。
(「井上さんトート」は「宝塚的耽美さ」で見惚れ、
「城田さんトート」は「男性の力強さの迫力」が印象的でした。)
個人的な感想なので、ご容赦ください。
さいたまんぬ