『マリー・アントワネット』帝劇⑩:全体感想(前編)キャスト

昨日、再び「マチソワ」しました。

それで力尽き、諦めと納得が、ほぼつきました。

公演は再演されても、同じキャストは揃わないし、再演されるかも分からない。

「一期一会」の気持ちで、気に入った公演はリピートして、舞台を目に焼き付けてます。

(と言いつつ、忘れてる事も多いです。気に入る公演が多く、少ない許容量の限界。)

 

感想でも、印象的だった細かい部分(仕草や表情)が、次観たら、変わっていたりします。

(昨日、「フェルゼン」の表情が変わり、泣いてて印象が変わった場面あり。)

(昨日は、「笹本さんアントワネット」の語りを裁判側の人、皆聞いてた.etc)

 

役者も、日々感情が変わると思うので、MY千秋楽で総合的な感想を書くのが一番すっきりしてると思いつつ、語りたくて、聞いてもらえないので、つい書いてます。

 

そろそろ、終盤。

全体的印象を(前編:キャスト)(後編:最初の「謎」の自分なりに出した答え)

で、一旦『M・A』は終わります。

(一旦が怪しい・・・)。

 

ただ、「ヅカ」に戻らなくては!!

 

とはいえ、ほぼ書き尽くした感のあるキャストの感想。

重複する部分も多いです。

そして、個人的感想なので、ご容赦ください。

 

マリー・アントワネット

「花總さんアントワネット」

 「皇后役」殿堂入り。

 演技で、カバーできるものではないと実感する「皇后の気品や風格とオーラ」

 経験を積み、演技も更に磨きをかけていらっしゃるので、最強です。

 このお方と「皇后の風格・気品」で勝負できる方は、現時点では見当たらず。

 (私の知ってる範囲内)

 フェルゼンとの愛(「田代さん」と合う!!)を心の支えにしている。

 ただ、ルイ16世」への「愛」も感じる。

 「ルイ」とは、趣味も全く違うし、性格も合わないのは一目瞭然。

 ただ、「国王」になりたくてなった訳ではない気持ち、「国王」の孤独や苦しみ、

 「同士愛」「家族愛」「ルイ16世から受ける愛」、理由は分からないです。

 けど、「ルイ」への「温かい眼差しと愛情」を1幕から感じます。

 「フェルセン」とは違う形での「愛」を感じました。

 そして、「アントワネット」の孤独や苦しみも感じます。

 

 宮殿で生まれ育ち、天然に贅沢になれてる、平民を理解できない演技は、やはりひれ伏します。

 

「笹本さんアントワネット」

 1幕の華やかな舞踏会やファッションが大好きなところは、活き活きしていて、キュートでした。

 子供たちへ向ける愛情深さが、やはり「笹本さんアントワネット」は秀逸。

 そして、気が強い。宮殿での醜い争いも、一人で戦い抜いてこられた印象。

 そして・・・持ち味だから仕方ない、割と庶民的

 歌の技術は同じ位でも、クラシカルさをあまり感じず、「マルグリット」の歌唱と質が似てるように感じました。

 「ルイ」に対しては、強気であまり「愛」を感じない。

 2幕の監禁部屋場面辺りから、少し芽生えてくる感じ!?

 観た回数が少ないけれど、「古川フェルセン」に対しては「恋愛感情」を感じ、

涙が出ます。

「子供の母」でもあり「愛に生きる女」でもある。

 組み合わせが大切と思った場面です。

 「古川さん」と役の雰囲気や持ち味の空気が似ている感じがしました。

 この二人だと「愛の場面」に涙が出るのです。

 逆に「花總アントワネット」は「田代さんフェルセン」で同じ印象を受けます。

 

 最後の裁判の場面で、「生気を失う花總さん」と「凛としている笹本さん」

 

 「皇后度」の強さは「花總さん」ですが、持ち味の違いです。

 見所と魅力が違うお二人の「アントワネット」でした。

 

②マルグリット・アルノー

ソニンさんマルグリット」

 この方で、作品の印象が一番変わります。

 「王室」「アントワネット」への憎しみが強く、オーラが怖い。

 ただ、過酷な環境で育った、品の悪さが、口調だけでなく仕草など細かい。

 (幼い頃に、虐待を受けたのかな?、と思わせる仕草!?

  観た時は、窓の枠を爪でカリカリしてるのが怖かった。。。)

 民衆のリーダーとしての求心力があり、二人の『M・A』が主役に見えます。

 気持ちの変化への戸惑いや動揺も、分かりやすい。

 前半は狂気まで含ませた憎しみ、後半の動揺ぶり、振幅が激しい人。

 圧倒されました。

 

「昆さんマルグリット」

 最初から、マルグリットが過酷な状況で育ったように見えない貧しい少女。

 民衆の代表的で、優しい少女に見えてしまいます。

 歌はとても上手くて、表現力もあるけれど、「憎しみの気迫」が少し物足りず、

 同情してしまう人。

 「アントワネット」にも早い段階で、同情している感じがして、対立した構図に見えにくい

 

 個人的には、二人の「M・A」が対立した構図で始まり、その対比が大きい程、「マルグリット」の気持ちの変化が、作品を面白くさせている印象の作品。

 優しい「マルグリット」は、哀れな境遇を嘆いてる姿に、共感してしまう部分もあり、最初から「割と温厚で品も悪くない、いい人」に見えるのが、微妙。。

 あと、大人設定の「アントワネット」に対して、少女っぽく見えて、且つ周りもそう扱ってる感じの「昆さんマルグリット」だと、対立するほど、強さがない。。。

 やはり持ち味かな、と思いました。

 

③フェルセン伯爵

「古川さんフェルセン」

 若さが滲み、「アントワネット」への「恋愛」色が強く「深い絆」にまで至らない。

 「政治」は「王室」の危機感がやや弱めで、「アントワネットへの愛」の方が強い。

 そして、爽やか。

 常に、眉に眉間の皺を寄せて、「アントワネット」や民衆の発言・行動に危機感を抱いてる「田代さん」より、爽やか(表情に表さない演技!?)。

 「愛」も「恋止まり」に見えます。

 ただ、「笹本さん」との「愛の場面」だと、「愛」が高まり見応えを感じました。

 表情豊かではなく、落ち着いてるのに、感情が分かりやすかったのが「愛」の場面なので、「恋するフェルゼン」の印象が残りました。

 ただ、観た回数が少なく、「愛」の強さも増していたので、まだまだ変わりそう

 声質と、「愛」の場面の演技が「笹本さん」との方が同じ方向に見えました。

 (若い恋人風)

 でも、うっとりする佇まいは、すごく見応えあります。

 

「田代さんフェルセン」

 「王室の危機」や「民衆の怒り」で憂いと危機感を持っていて、「アントワネット」との関係も、冷静に身を引こうと政治的な目を持ってる賢さが滲む「フェルセン」

 行動には、常に「周囲の目」を気にしている。

(「アントワネット」の立場を悪くしないよう配慮)

 大人な「フェルセン」で、「愛の場面」だと、クラシカルな歌唱と共に「花總さん」と合う感じ。「貴公子」の「オーラ」がぴったり。

 今まで観た作品は、たまたま似た感じの役だったので、今回、演技面での成長に驚き、且つ、歌に聞き惚れた人。

 

ルイ16世

 感想⑨で書いた印象です。

 個人的に、まだ、どちらが好みか悩み中の見事なお二人(やや「原田さん」かな)。

 ただ、小太りの衣装でも、「国王だ」と名乗る時の顔のりりしさは、風格があって見惚れました。

 現時点では「後悔の原田さんルイ」と「悲哀の佐藤さんルイ」の印象です。

 

⑤ランバル公爵夫人「彩乃さん」

 寄り添う人。

 初観劇の時以降、段々お腹に手をあてずに難曲を歌い上げていらっしゃいました。

 その曲が、「神に祈ろう系」で、信仰心のある人物なんだなぁと思い、

 最期、監禁部屋から出る場面が、最初と、印象が変わりました。

 ネタバレしまくりですが、「ルイ」の「鍛冶屋になりたい~」歌の後、涙をぬぐって、教会へ行くために、部屋を出ます。

 てっきり、家族水いらずにしてあげたいのかな?と思ってました。

(「マルグリット」監視中ですが)

 段々、歌を聴く内に「神に国王一家をお助けしてください」と祈りに行ったんだ!

どこまでも、献身的ないい人だなぁと思う、終始、温かい心で人を和ませる人物にはぴったりでした。(作品内で)

 

⑥オルレアン公「吉原さん」

 「ジャイアン」から「善い部分」を抜き取った人物。

 権力の座と「アントワネット」を貶めてやりたいと思ってる人物。

 そこまで「アントワネット」を憎んでいる理由がよく分からなかったです。

 (ご本人のせいではないです。脚本内で出てこない。)

 ただ、「オルレアン公」が、民衆の怒りを焚きつけるので、この方の迫力で、説得力が増してました。

 役柄的に、裏表がなく、腹黒い人物。

大物感が重要で、きっちり決めてて、かっこいい!!

 ただ、この系統の役が似合うなぁと、思うのは、私が観てる作品が「レミゼ」位だから!?(映画『美女と野獣』の吹き替え版のガストン役ですね。)

 この方が歌うと、場内の空気が張り詰めるような迫力。圧巻でした。

 

⑦ジャック・ピエール「坂元さん」

 感想⑧で書いた、「小者」で、一番嫌な人物。

 どんどん、権力に寄り添い、利用してのし上がる感が強くなっていました。

 段々、嫌な人の印象が残る度合いが強くなる辺り、上手いなぁ。

 「吉原さん」と同じく「上手い」が印象。

 ただ、小細工等でスパイスをきかせている感じの「上手さ」がちょっと違う。

 

⑧レオナール「駒田さん」

 権力者に取り入ってるけど、「悪者」というよりは「商売根性たくましい」印象。

 憎めないキャラで、やはり「上手い」。

 ただ、「レミゼラブル」の「テナルディエ」が同じ系統の役で、似ています。

 こういう役柄って、作品に一人は必要なのかな!?

 

⑨ローズ・ベルタン「彩吹さん」

 「レオナール」と一緒に行動する、「アントワネット」の衣装係。

 キャラクターは「レオナール」の女版。

 同じく憎めないキャラで、華やかで「上手い」。

 ただ、この系統の役柄の「宝塚OG女優さん」は初めて観たので、最初は衝撃的。

 (在団中を知ってる方の範囲内です。)

 上手くて、しっくりくるのも、複雑・・・割と好きやってん「彩吹さん」

 と、余計なことがよぎってしまいました。

 

⑩その他気になった方々

 ロアン大司教「中山さん」・・・表情豊かで演技巧みだなぁ

 ロベスピエール「青山さん」から、チラシに役名がない「ダントン役」の方まで、

演技が細かく、それぞれのキャラクターを作り上げてて、見応えがありました。

 

 予習に、雪組公演『ひかりふる路』『1789』が役に立ちました°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

 

 役名がない、裁判の時、「アントワネット」の後ろに銃を持って立っていたジャコバン派のおそらく市民出身の兵士2人。

 「アントワネット」の後ろにいるので、「オペラグラス」で見えたお二人。

 監禁部屋の入口も監視されているお二人。

 立ってる時や監視している時も、スポットライトは当たっていないのに、性格が正反対っぽい。

 革命への参加する時のスタンスが違ったのかな?

 と、イケメンなのもあって、目がいきました。

 

長すぎる感想文。

自己満足と暇・・・いえ、投資した時間とお金で得た感想です。

個人的、そして現時点での感想なので、ご容赦ください。

そして、最後まで読んでいただいた方には、感謝の気持ちでいっぱいです。

懲りずに「後編」へ続きます。

 

さいたまんぬ

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