宝塚の伝統的男役像にはまる宝塚版『エリザベート』
以前、最近「主演男役像」が変わってきた!?と思うことを書きました。
全ての作品に当てはまらないし、ここ最近の作品の主演男役さんの役柄を観て、思っただけです。
大まかに言えば、
雪組『凱旋門』が、再演作品で、主役ラヴィックは、「寡黙な男」でした。
「寡黙で、佇まいや仕草(背中)などで ”語る” 感じ」
「男役の代表的(一般的)なイメージ」
⇒「男役の美学の究極形」の「大人の色気が漂う男役」。
勿論、スターさんは、持ち味と魅力が違うので、自分に合った「男役の美学」を究められます。
ただ、教科書的に思い浮かぶ「宝塚の男役」は、個人的にはこの系統です。
この系統が好きな訳でもなく、一番素晴らしい訳でもなく、あくまで「イメージ」。
「寡黙。そして背中で語る」
最近の作品の主役は、「望海さんロベス」「紅さん康次郎」「明日海さん四郎」と、よく喋るなぁ、と思いました。
どの作品も人物も好きなので、単に思っただけです。
「宝塚の男役」は、世の女性の憧れを体現してくれる存在なので、今求められているヒーローは、こういう系なのかな・・?と。
『エリザベート』の主役「トート閣下」は、「寡黙」系です。
そして、寡黙な分、仕草や目力など佇まいで勝負!!って感じがします。
勿論、潤色されたとはいえ、オリジナル作品ではないので「偶然」です。
ただ、20年以上前に初演された作品。
『エリザベート』が大ヒットが作品になった要因は、色々あります。
ただ、『 主役「トート」像が、当時の「宝塚歌劇」の男役像にハマった 』
というのも少し位はないかな~?とよぎったのですが、むちゃぶりでしょうか!?
今回の「珠城さんトート」、結果として、ハマりました (≧∇≦) b ☆。.:*:・'゜★
失礼ながら、「歌」はちょっと・・・・
でも、垣間見せる目つきや仕草がカバーして、気になりませんでした。
・・・気になりました(きっと成長されるはず!!)
技術の未熟な点はさておき、「佇まい」や「目力」は「トート閣下」でした。
「トート」は、黙って、見つめている場面が多く、「佇まい」に注目する機会が多いです。
なので、「死」は「男役」ではないけれど、「伝統的な宝塚の男役のイメージ」にハマってる役だなと、ふと思ったのです。
「トート」に必要な「色気」も、経験を積んで身に付けていくもの。
「ルキーニ」は、宝塚版でも東宝版でも、狂言回しの役柄で、やっぱり目立つ役。
「宝塚の男役」としては、微妙なキャラクターなのに「当たり役」と言われる役。
これは、「宝塚の正統派男役らしくない」けれど、3番手位のポジションの方が演じられて、出番(歌と台詞)も多くて、それだけでも目立つのに、「上手い」とより印象に残るからなんでしょうね。
ついでに、「カッコイイ〇〇さん」の意外な(狂気じみた)姿にギャップ萌えあり。
「フランツ」こそ「正統派男役」で「宝塚らしい」のに、やっぱり報われない(涙)。
新人公演も、やはり「トート」役と「ルキーニ」役が気になりました。
どんなイメージでくるかの「トート」。
どんな意外性と上手さでくるかの「ルキーニ」。
そして、失礼ながら、個人的には、「エリザベート」役の出来は、さほど気にならないので、やっぱり、宝塚版『エリザベート』は、「トート」が主役。
ややむちゃぶりな、個人的意見です。
さいたまんぬ