『エリザベート』は「上演に至るまで」伝説も作られていってると思った事
ミュージカル『エリザベート』が宝塚歌劇で上演され、成功するまでのサクセスストーリーは、色々なところで、語られています。
初演時の最初のポスターへのファンの戸惑い
「死」が主役とか、よく分からん。
開幕までのファンの割とマイナスな反応
それが、大成功で超話題を呼び、
今や「宝塚歌劇」を代表する作品にまで成長を遂げました。
演出家小池先生の出世作となり、小池先生も今や「宝塚歌劇」どころか日本を代表する演出家のお一人にまでなられている。
『エリザベート』関連本は沢山出版され、作品が出来上がるまでの苦労話、今までと違う作風の上演に対する雪組生とスタッフのプレッシャー、反対の声から一転して大成功を収める・・・
美しすぎるサクセスストーリーです。
さいたまんぬも、大好きなので、乗っかってます。
関連本を読み、作品が出来上がるまでの苦労話を聞けば、益々感動が高まります。
「当時のエピソード」の「秘話」は、作品にハマるほど、知りたくなります。
でも、色々なところで語られていて、20年も前の話なので、多少の記憶違いはありそう。
または、3割増し位して、作品制作秘話をよりドラマチックに仕上げてそう。
だって、20年前なんて、憶えてない人、観てない人も多いもの。
細かい部分を指摘して、ツッコむのは、伝説への冒涜で、大人げないです。
『ベルばら伝説』を知らないだけに、『エリザベート』が「伝説化」されていく渦中にいる喜びと、今後は「伝説の語り部」になるので、ご容赦ください。
(語る相手がいないですけど・・・)
大した話ではないです。
しつこいですが、関わった方々が、話を大きく盛ってることはないです。
『エリザベート展』で思った、ささやかな事です。
『エリザベート』を「宝塚歌劇」で上演するにあたり、一番の問題点。
主役が「男役」の「宝塚歌劇」。
作品『エリザベート』の主役を「エリザベート」から「トート」にするように、脚本と演出を変更する許可をウィーンの制作者側から得ること。
関連本では、小池先生と、ミヒャエル・クンツェ氏(脚本・歌詞)・シルヴェスター・リーヴァイ氏(音楽)のいる席に、「一路真輝さん」(初演のトート役)が遅れて到着し、「一路さん」の姿を見て、「彼女がトート役ならいい」と、ウィーン側のお二人が納得され、決まったという感じで書かれています。
小池先生は、
・彼女(一路さん)の「男役」という中性的な姿が「死」の解釈に新たな可能性を感じていただけたのではないかと思う、みたいな事を仰ってます。
「一路さん」は、本の中で、
「当時トップスター3年目くらいで、どこで何をするにも宝塚オーラをまき散らしていたのでしょう。髪の毛もまとめ、化粧もしっかりして、男役のようなスーツ姿で入っていったのだとおもいます。」(一部引用)
(本:オールインタビューズ 『エリザベート』はこうして生まれた )
仰ってます。
一方、「エリザベート展」の一路さんのコメントには、
「ホテル滞在中に、小池先生から、「できるだけ男役らしい格好をして来てください」と連絡があったので、男役らしい格好をして向かった」
(文章の記憶が曖昧ですが、主旨はこれ)
「小池先生」が「トート」役を「男役」に演じさせたいことを伝えたかったことは間違いなく、「男役のジェンヌさん」は、オフでも「男役っぽい」雰囲気は醸し出されているので、「一路さん」も同様だと思います。
ただ、「エリザベート展」でこの一路さんのパネルを見たとき、ちょっとした「種明かし」と「小池先生の作戦?」を垣間見た感じがして、「ほほぉ」(さすが)と思いました。
それだけです。
すごくささやかで、個人的な興味です。
結果的に、「男役の中性的さ」で「トート」を演じる事が琴線に触れた事で、上演許可が得られたのなら、小池先生の作戦勝ちなので、功績は大きく、着眼点の鋭さはすごいです。
こんな風に「ベルばら」が宝塚歌劇の十八番になるまでの話も、ちょこちょこ美化されてるのかな~と思いました。
「名作」は「逸話」とセットで「伝説化」されると、より盛り上がります。
その一端に触れて、個人的にちょっと面白いと、思った事でした。
ファンの反発は、当時、情報網がなく知らないです。
確かに、駅に貼ってあるポスターがあっさりしてて(一番最初は文字だけだった)、いつもと違う雰囲気の作品だと思ったこと。
元々当時のムラは、今より席は取れやすかったので割とチケットは取れて、観れた事。
期待以上で、「すごい作品やん°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°」と感動したことは記憶にあるので、間違いは、ないです。
影でこんなドラマが繰り広げられていたのですね~。
でも、私が90歳位まで生きてて、「初演の良さ」を語っても、「古いわ!!」で流されそう・・・。
(作品が)盛り上がってる時が、「伝説」の盛り上がる時ですね。
新たに、伝説が生まれるような作品が登場するのが楽しみです。
色々なところで、『エリザベート』逸話が語られてるので、多少間違いがあったら失礼します。
さいたまんぬ