花組⑬「MESSIAH」~「異聞・明日海さん四郎」は「代表作」になるか~
少し ネタバレと個人的感想であることをご了承ください。
「明日海さん」に対する先入観が強く、偏愛に基づいた感想なのも自覚しています。
結論から述べると、「ならない」と思いました。
個人的に抱いている「明日海さん」の「持ち味」と「天草四郎」のキャラが違ったからです。
「MESSIAH」は、毎度のことですが、リピートするにつれ、ハマっていき、MY千秋楽では、大泣きました。
「観ればみるほど、味わい深い」:「何度観ても感動」=4:6です。
良い作品です°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
感想を、「ショー」も含めて⑬まで書いてるしつこさが、見所満載で、気に入ってる証です。
ただ、「明日海さん」の感想には、あまり触れなかったです。
「明日海さん四郎」は、魅力的な人物でした。
「カリスマ性」があり、人々を惹き付ける魅力を兼ね備えていて、四郎の言葉が人々の心を動かし、彼を担ぎあげて、民衆が立ち上がろうと決意するのに、とても説得力がありました。
ビジュアルも抜群で、文句なく、かっこいい「ヒーロー」でした。
理解力の乏しい、さいたまんぬにも、分かりやすい「ヒーロー」でした。
そこが、ちょっと「明日海さん」の「持ち味」と違うように思えました。
魅力的な人物が多いこの作品。
「魅力的」は、個人の好みです。
好きな人物ランキングは、人によって違うと思います。
さいたまんぬは、「綺城さん鈴木」と「柚香さんリノ」が好きでした。
心の中に葛藤を抱えていたり、含みのある人物が、個人的に好きです。
作品によりけりですが。
で、「明日海さん」演じる「天草四郎」は、一見「豪胆で快活」でした。
心の中に葛藤を抱えていますが、他の人物より、見えにくいです。
役柄的に、敢えて見せていない可能性がある気がする事と、表情が、遠い席で見えない為、心情を感じ取れなかったのかもしれません。
「悩む時間があったらすぐ行動!!」というほど、さっぱりした「明朗快活」な人物では決してないです。
ただ、長年、圧政に苦しみ、信仰を隠しながら、生きてきた人々の方が、内面の葛藤が複雑そうに感じてしまいます。(分かりやすい)
そんな人々の心を動かし、行動を促す「勇気」や「カリスマ性」はとても魅力的です。
ただ、「豪胆で快活」さが強く出て、「ミステリアス」度がやや弱く感じました。
作品の解釈として、「天草四郎」が「海賊」である設定が、「異聞」で、話の展開も違和感なく、ツッコミ所もないです。
勝手に「明日海さん」に「影のあるミステリアスさ」を「天草四郎」役に期待していたので、やや、キャラが違いました。
史実の資料が少ないだけに、「ミステリアスな美少年」のイメージもある「天草四郎」。
この本来の、「ミステリアス」さが「明日海さん」にぴったりな気がしました。
「異聞・明日海さん四郎」は、「異聞」には違いないものの、「正統派ヒーロー」で、トップスターの役としてはいい感です。
ただ、やや素直すぎて、「明日海さん」にぴったりな役とは、思えませんでした。
「代表作」の定義は分かりませんが、「個人の個性が役にハマって魅力的に見える役」とすれば、違うかな、と思いました。
遠征で、残念なのは、連続で観劇するので、演じ方の変わり具合が分からない点です。
初日近くと千秋楽近くでは、演技が変わり、印象が違うことがよくあります。
今回、日程の都合上、初日付近で観劇し、その時点での感想です。
舞台は日々、変化するので、「明日海さん四郎」も、変わっていくと思います。
「明日海さん四郎」は、脚本の設定上の人物としては、体現できていて、客席のさいたまんぬも、「キリシタン農民その1」として、この方に付いていきたい!と思いました。
役者としては「役」を忠実に演じていて、良いし、作品も良くて、、、でも「持ち味」の魅力が引き出されてはいない役かな・・・というのが、現時点での感想です。
「明日海さん」は、ミステリアスなだけに、色々妄想してしまいます。。
「演技」も「作品」も良かったのに、欲深いです。。。
さいたまんぬ