『シャボン玉とんだ宇宙までとんだ』シアタークリエ ~ 「マスター、この店のブレンド、いい豆過ぎない!?」~

前宣伝の文句がすごかった。

「日本オリジナルミュージカルの原点にして最高峰」

「日本オリジナルミュージカルの金字塔」

「伝説のミュージカル」

出演者も豪華。

 

「福井晶一さん」(『レ・ミゼラブル』しか観ていない)の熱い想いに触発されて、観に行った舞台。

なので、「福井さんマスター」、私にとっては必見。

公演の前半しか出演されないので、風邪気味でも、きばって観に行ったら、悪化してもーたやないけ。

(「きばる」:「がんばる」の都道府県別の方言一覧をみたら、関西に多い。)

そして、観て最初に思った感想が、長いサブタイトル。

「マスター(福井さん)、この店のブレンド、いい豆(豪華キャスト)過ぎない?」

 

「音楽座」の舞台を観たことがない人間の、個人的感想です。 

 

「(劇団音楽座→)音楽座ミュージカル」旗揚げ作品。

「音楽座」と、劇場「シアタークリエ」がしっくりこない。

「音楽座」のイメージと作品は、合ってました。

「シアタークリエ」のイメージと出演者の顔ぶれも、合ってました。

そこに、地域密着の喫茶店で提供するブレンド珈琲は、とても美味しいけど、やたら高級感が漂っている「違和感」(店の経営大丈夫?)を感じました。

イメージは、あくまで個人的なもので、曖昧です。

 

今は、有名になった役者さんたちが、駆け出しの頃、頑張っていた、

あるいはこの作品を観て、俳優を志した.etcという、

☆.。.:*・゚☆役者さんの思い入れと愛が詰まった公演☆゚・*:.。.☆

という印象。

「役不足でしょ~」と思った位、「ちょい役」が無駄じゃないけど、豪華な出演者。

1幕は、笑いが多くて、出演者まで笑ってるー(* ̄m ̄)プッ

細かい所は即興で芝居していると、リピートして判明 !!(゚ロ゚屮)屮 オオー!

とにかく出演者が活き活きしていて、眩しい舞台に「青春」を感じました。

 

この作品を観て、ミュージカル(舞台)の「生」の良さ、

舞台の空気が客席に伝わり、胸に響く感動や一体感の魅力を実感させてくれる点では、やっぱり「原点」

この感動を伝えたくて、研鑽してこられた方々にとっての「原点」

なので、「東宝」で上演されるにあたり、多少の「ズレ」は流せる位、

多くの人に観て欲しい「ミュージカル」だと納得!!

笑いと涙で感動の、ぶっ飛んでる所がまた愛しく感じるじわっといい作品(゚ー゚*)(。_。*)ウンウン♪

 

チラシでは豪華なキャストに目を奪われてましたが、作品が負けない位、良かった!!

関西人としては、ツッコみたい所はある。

「関西弁」のイントネーション、「関西弁やファッション」「関西」「大阪」に対するイメージってこれなのか・・・??

「ユーアンちゃん」が、関西弁の「おかよ」に「訛ってるよ」という台詞がある。

その台詞に、

「関西弁は「訛り」なんだ Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン」とショック。

気になるけど、こちらも、まぁ流せる。

そして、主役お二人が、この作品の魅力を輝かせてました・・・やっぱり主役。

 

印象的だった方々

①「咲妃みゆさん」(折口佳代:おかよ)

主役は、「ユーアンちゃん」と「おかよ」だけど、2択なら「おかよ」??

初代おかよ「土居裕子さん(ピア役)」が出演していることと、

「咲妃さんおかよ」の舞台上での吸引力に思いました。

ぐいぐい惹き込まれて、目が離せなくなる、もう「おかよ」にしか見えない「咲妃さん」。

憑依型?・・・すごい、すごかった。

「役」が降臨しているかのようで、舞台に息づいている「おかよ」。

「役柄」は、共感できない部分があっても、「おかよ」視点になって、涙を流してしまう、吸引力がすごいお方・・・超魅力的、圧巻、絶賛

終盤で、神聖な雰囲気を漂わせた神々しい姿・・・「スリ少女」からの変貌ぶりが見事 (*゚.゚(゚.゚*) ♪

気持ちを歌に乗せて伝えるのが「ミュージカル」と改めて思わされた、

終盤のソロ「あなたはいない♬」に泣きました。

名前の由来に笑いつつ、「東宝版」の配慮を感じました。 

(「梅田」駅の降り口)

 

②「井上芳雄さん」(三浦悠介:ユーアンちゃん)

見た目ダサくて、どんくさくて、カッコ悪い設定だけど、真っ直ぐで芯がぶれない、かっこいい「ユーアンちゃん」。

個人的に、お芝居があまりツボではなかったのが、「トート閣下」と「ユーアンちゃん」で、撤回。

ダサさ全開で違和感なく「ユーアンちゃん」、しっくりハマっていて良かった。

「ユーアンちゃん」は、ほんまに「ええ人」(゚ー゚*)(。_。*) シミジミ ♪

(おばちゃんが、女の人紹介したくなる気持ちわかる!)

「井上さん」は、「いい人」のイメージなので、基本合ってる。

でも、「ダサい、どんくさい」まで、自然に醸し出されていた(芝居で)。

「歌唱」も「音楽座の芝居作品」風な歌い方!?で、台詞のように歌われていた。

とはいえ、やはり、歌い上げるソロは、クラシカルで耳心地の良い歌唱にうっとり。

☆.。.:*・゚☆聴かせてくださる(堪能)☆゚・*:.。.☆

さすが「作曲家志望」・・・初仕事が、シアタークリエ向かいの劇場の「ショー作品」というのも、すごい。

それ以上に、実際に踊る「ユーアンちゃん」のダンスが、上手かったのには驚いた。

「笑い」を誘う芝居に余裕を感じ、「プリンス」から「役者」道を着実に歩まれているところを、見過ごしていたことを実感。

終演後のご挨拶のトーク(漫談)も饒舌で、ベテラン感まで漂ってました。

かなり遅いですが、 今後のご活躍が気になる方となりました。

 

③「濱田めぐみさん」(春江、ウメ)

びっくりした w( ̄▽ ̄;)w !!

おばちゃん役(春江)と、おばあちゃん役(ウメ)。

特に「ウメ」・・・うめー(巧い)よ、絶品!!

改めて、「濱田さん」力を、「ウメ」役で実感。 

『フランケンシュタイン』の「エレン」(日生劇場で上演中)に未練はあるものの、

「ウメ」を観れて良かった (TmT)ウゥゥ・・・

 

④「上原理生さん」(早瀬、ゼス) 

この方の低音ボイスと歌がとても好きです。

感情を表に表さない「宇宙人ゼス」が合っていて、見た目もカッコ良かった☆彡

「ユーアンちゃん」の恩師「早瀬」は、見た目がちょっと面白い芸術家風。

歌えば、低音ボイスが響くので、聴き拾ってうっとり聴いておりました☆゚・*:.。.☆

 

⑤「内藤大希さん」(ミラ)

ストーリーの設定と展開が時々、ぶっ飛んでると思わせる「宇宙人組」で、最も若手。

他の「宇宙人(ラス星人)」より、「人間」に感情移入するのが早く、感情も宇宙人比、豊か。

この作品の中では、イケメン設定?にも見える、イケメンぶりで目を引きました。

そして、長めのソロがあり・・・周囲の顔ぶれの中で健闘していると印象に残った。

えらそうな物言いでごめんなさい。

そして、周囲の顔ぶれの中、「ミラ」役を演じているのに、注目なお方(目立つ役)。

 

⑥「仙名彩世さん」(里美、レポーター、ショーガール.etc)

幕開けで、いきなり「ユーアンちゃん」とデートで歌う「里美さん」。

「ワンダフルデイ♬」は、ノリノリで印象的なメロディ!!

1幕の笑いから、一転する2幕の「落差」が、魅力的な作品。

「レポーター」といい、レトロな髪型で、素の雰囲気で、笑いを誘う役柄の「不自然感」が上手くて、歌唱も魅力的・・・これからのご活躍がとても楽しみなお方!!

「ショーガール」といい、歌えて踊れて、何役もこなせて、さりげなくなくすごい。

「濱田さん」は、初めてついた役が「里美」・・・幸先がいい°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

 

⑦「土居裕子さん」(ピア)

主要キャストではないけど、ピンポイントで、胸にぐっとくる台詞を言ったり、透明感のある、胸に沁み渡るような歌唱の余韻が残る気づけば、キーパーソンにも見えてくる存在感。

「初代おかよ」の「土居さん」は、初めましてでしたが、ラストの歌唱に、すーっと惹き寄せられました。

 

⑧「福井晶一さん」「吉野圭吾さん」(喫茶店「ケンタウルス」のマスター)

喫茶店のマスターで、キーパーソンではない役柄。

先に「福井さんマスター」を観たせいか、「福井さん」の印象が強くなってます。

「福井さん」は喫茶店のマスターが馴染んでいて、喫茶店の町での位置付けや、店に対する愛情が、語られなくても伝わってきた、懐の深い「どっしり感」。

店の人たちへ向ける眼差しの温かさ、愛情深さに、「どっしり感」がありました。

『レミゼ』以外の舞台を観てないので、「何だかすごい人」位の認識です。

次に、「吉野さんマスター」を観て、「福井さんマスター」の「どっしり感」が、結構好きだったことと、作品に「どっしり感」が地味にスパイスになってると思いました。

(個人的感想です。)

「吉野さんマスター」の眼差しも、同じように感じたものの、「どっしり」よりは「優しさ」の印象の方が強かったです。

「持ち味」の違いか、「演じ方」の違いか、そこまでは分からない、印象です。

 

出番が少なくても、「濃いキャラ」が多くて、書きだしたらキリがないので、厳選。

一行ですが、他にも、印象的な方々

 ・いい味出してて意外なキャラに見えた「畠中洋さん(テムキ)」

 ・関西弁のヤクザと強面が似合い過ぎな「井上一馬さん(佳代養父)」

 ・昭和な雰囲気漂う髪型で、いかにもいそうな「照井裕隆さん(床屋の兄ちゃん)」

 ・2幕ラストのカップルの青年がカッコイイ・・・(川口大地さん?)

 ・背高い「松野乃知さん」

 

少人数で、いくつもの役をこなされる舞台なので、やはり、実力派揃いのキャスト陣。

豪華だけど、時代は昭和っぽく、喫茶店を中心に展開する素朴な舞台。

とはいえ、宇宙人が登場する、ぶっ飛びの壮大なスケール感。

(宇宙人の「ブレンド」ポーズが、いい d(≧▽≦*) !! )

 

だから「しゃぼん玉は宇宙へとんでいく」のね・・・

「しゃぼん玉」が作品内で、重要に思えなかったのは、私の理解不足!?

 

笑いあり涙あり、心弾むメロディがくるくる頭を回る、ラストに感動のミュージカル。

やっぱりまた観たくなる・・・素敵な作品です。

 

さいたまんぬ

 


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