『ラブ・ネバー・ダイ』:感想 ② 役替わり「メグ」(夢咲さん・咲妃さん)
「キャストの感想」と「作品に対する感想」に温度差が個人的にある作品。
世界の巨匠の作品なだけに・・・難しい。
ヅカの「原作の演出・潤色の名手」小池修一郎先生の「オリジナル作品」の印象。
現時点での個人的な感想なのでご容赦ください。
ネタバレも少しあります。そこを触れないと感想が書けないです。
贔屓目もなく(ラウル)、個人的に「役」に共感しやすかった「メグ」から。
(ヅカ版『ファントム』に登場しないのでフィルターがなく観れた。)
理解力が低いので、感想の前に、「メグ」の人物像についての個人的解釈から。
【 作品での「メグ」の位置付け 】
「ファントム」はオペラ座から姿を消して、ニューヨークのコニー・アイランドで、
遊園地(「ショー」の舞台あり)!?の経営で、財を成している。
実際、経営に奔走して、支えているのは、
オペラ座の元バレエ教師の「マダム・ジリー」とその娘「メグ」。
「メグ」(クリスティーヌのオペラ座時代の友人)が「ショー」の看板スターとして活躍。
二人が「ファントム」の生計を支えている。
「マダムジリー」は「ファントム」の才能を尊敬して心酔しているので、尽くす人。
ママの姿を見てるのと共に、元々オペラ座の団員(ママは先生)だったからか、
「ファントム」の「音楽」を尊敬してる気持ちはすごく持っている「メグ」。
ママとの尊敬の種類は、「ファントム」との関わりあいが違うので、違う感じ。
(素直に「憧れ」の尊敬すべき存在)
「ファントム」に認めてもらいたくて、頑張ってる人。
でも手応えを感じないのか、不安そう。
友人クリスティーヌの方が、「ファントム」に認められたけど、
10年経ち、母と共に「ファントム」を支えて、「ファントム」の作る舞台音楽の
「ショー」で、自分も認められてると信じつつ、なんか不安そう。
(必死にママに、舞台パフォーマンスが良かったことについて、「ファントム」が
自分を見てくれているかを聞く辺り、個人的に切なさを感じる・・・)
「ファントム」は、パトロン見つけるのが上手いね~。
「音楽」に没頭できる環境下(「ファントム」の世界観を表すように創られた空間)でコツコツ作曲して、
いまだに、「クリスティーヌ」の歌声が、自分の音楽には足りないと嘆いている人。
見た目は、リアルな中年男性。仮面を被ってる。
というわけで、「メグ」は、
・「ショー」で歌とダンスを披露
・尊敬する「ファントム」に認められたくて、健気で必死。
認めてもらえていると信じたいけど、自信がないのか、不安げ。
なので葛藤を抱いている。
・終盤、「ファントム」の心が「クリスティーヌ」にあると知り、ショックで暴走。
(私でも、腹立つわ~。
大尊敬するおじさんのため、身も心も捧げて.生計を支えていたのに、いまだに友人で頭いっぱい。
自分の存在なんて、これっぽっちも見てくれてなかったら、暴れるわ~)
ざっくりですが、メグの見せ場は、
・「ショー」での「歌」と「ダンス」
・ 無邪気に振舞いつつ、不安さが同居する心の葛藤
そして、終盤の暴走した場面の「芝居」
さいたまんぬには、この作品が「ドラマ」に見えるので、「メグ」は、
後者の「芝居」、特に後半暴走した演技が一番の見せ場で、盛り上がる場面。
台詞が「歌」で綴られているのが自然すぎて、「歌が上手い」は前提条件。
ソロナンバーの時、「あぁ、歌ってる~」と思い出す位、音楽いっぱいの舞台。
「メグ」のソロ歌の印象が薄いのは、旋律が特にツボじゃなかったからかな
・・・と思います。(個人的に憶えにくい旋律が多い)
「歌」「ダンス」「芝居」、3つを求められる役。
主要キャストは、役柄上「ダンス」がなく、「歌唱」が超ハイレベルなキャスト陣。
だから、大変失礼ながら、「歌」が見劣りしてしまうのは、仕方ない・・と思う。
でも、「ショー」の場面は、「ショースター」として、「歌」「ダンス」があり、
「ダンス力」と「華やかさ」は、当然のように求められる役。
Wキャストのお二人は、「ショー場面」のセンターに立つ。
⇒「ショースター」としての実力も必要!!
そして、最大の見せ場、終盤の「芝居力」が「メグ」目立つので重要!!
なので、「3芸」をこなすとこが求められる「メグ」。難しい役・・・。
「ショースター」でも魅せなければならない点から、Wキャストのチョイスに納得。
お二人共、「ショー場面」は、「華やか」で魅力的°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°。
「さすが!!」と思いました。
観た順番で感想を書きます。
【咲妃さんメグ】
「キュート」
そして、無邪気に見えました。
10年後設定とは分からない、オペラ座で現役でもバレエダンサーできそうな若さ。
「ファントム」はきっと自分を見てくれているに違いないと、
「ショー」の終演後、嬉しそうにしてる感じや、「ショー」場面も「キュート」。
クリクリっとした瞳を輝かせて、弾むような感じが、若々しくて魅力的。
若き日の「クリスティーヌ」っぽい(個人的イメージ)
それだけに、終盤、ショックで、心が崩壊した時との落差が大きい。
この場面での演技の差がすごく大きいお二人。
「咲妃さんメグ」は、心が崩壊して、何しでかすか、目が映ろで怖かった・・・
「ついに壊れてしまった・・・」感が、ぞっとして、迫力がありました。
・・・前半の無邪気さは活き活きキラキラしてるのも魅力的だし、
心崩壊の演技に、舞台上のキャストも観客も、固唾を飲んで見守る雰囲気。
「上手い、けど怖い・・」とものすごく思った、最強のキャスト陣に負けない迫力。
終盤の演技が印象的ですが、3芸揃って上手く、とても魅力的な「メグ」でした。
【夢咲さんメグ】
「必死」「一生懸命」そして「美しい」
「ショー」の場面は、お二人とも「華」がピカピカで魅力的☆彡
「咲妃さん」は、小柄な見た目の雰囲気と役創りで「キュート」な舞台。
「夢咲さん」だと、長い手足を持て余すような、美体型で大人っぽいから「綺麗」。
役の年齢設定も、大人めに見えました。
そして、無邪気さよりは、「一生懸命頑張ってる」感でしっとりした「メグ」。
終盤の演技は、心が「崩壊してない」。ここが違って見えました。
切なさ極まっての行動で、哀れさや切なさが伝わる感じ。
なので、観てると、ハラハラよりは、「メグ、可哀想・・・・」と思いました。
ちょっと、歌や演技が、他の最強キャストに囲まれると気になるものの、
「一生懸命」なのに、報われない、切ない「メグ」でした。
お二人の「芝居」の違いと印象は、現時点での個人的感想です。
このお二人の違いが、周囲のキャストに与える影響は、やはり終盤の芝居。
ショックが、「心が崩壊する程」な「咲妃さんメグ」を観ると、
「ファントム」に対する尊敬心や、「ファントム」に対していかに、期待していたか、
苦労して頑張っていたのか、その「大きさ」を感じます。
「夢咲さん」だと、正気なので、「メグ」の切ない気持ちが伝わってきます。
個人的には、落差が激しくて、10年の歳月を費やした結果が「崩壊」という形で
伝わってきた「咲妃さんメグ」が好みでした。
「メグ」のイメージが、「キュート」がしっくりきたこともあります。
(先に観たことと、ハマっていたので、イメージとして定着したのかも。)
あと、迫真の演技の迫力が、空間を支配していて、凄かった・・・。
来月、リベンジ予定なので、きっと変わっていると思います。
さいたまんぬ