雪組『ファントム』~「舞咲さんカルロッタ」が新『ファントム』の立役者!?~
斬新な映像や豪華な舞台セットと演出で、「今風」にアレンジされ、再演に見えない新『ファントム』と呼びたくなる今回の『ファントム』。
過去の公演の記憶は薄いものの、話の流れは変わらないです。
「スパイス」が色々加えられた結果『今風』に見えます。
キャストも大幅な変更はないと思います。
ただ、演技がすごく斬新な方、
かなりインパクトがある「舞咲さんカルロッタ」が、
新『ファントム』の立役者と個人的に思います。
見事な歌唱にも圧倒されますが、声を自由自在に操って気持ち良い位の力強さ、押し出しの強さ、そして「笑い」を取るのも上手い。
今回の『ファントム』を語るに辺り、この方なしでは語れない位、存在感大です。
「笑い」が多い印象を受ける今回の『ファントム』。
「笑い担当」は、「カルロッタ」と「アラン・ショレ」夫妻中心。
中でも、圧倒的に「舞咲さんカルロッタ」のアドリブが加わった笑いに引っ張られてる感じがします。
『ファントム』自体、そもそも、暗い印象の話。
豪華な舞台セットで「宝塚らしい」華やかさはあるものの、「笑い」がスパイスを効かせてるから、より「エンターテイメント」な舞台に見えて「楽しい」。
そして、主要キャストのしんみりした場面との対比が鮮明で、しんみり場面も引き立つし、観た後、あまり感傷的にならず、楽しい舞台の余韻が残ります。
(見事な歌唱にうっとりする余韻も残る)
過去の「カルロッタ」役者の「出雲綾さん」「桜一花さん」とは、少し違う「舞咲さん」の「笑い」の取り方。
キャラクターの記憶がおぼろげで、「出雲さん」が浮かぶのですが、「出雲さんカルロッタ」に比べると、「舞咲さん」は若く、見た目(化粧)は普通にしてたら「新プリマドンナ」に違和感ない方。
(「出雲さん」に対して、語弊があったらごめんなさい。)
個人的な感想です。
よって、その見た目を、化粧とキャラクターの濃さでカバーされてて、お見事!!
「キャラの濃さ」が「笑い」に繋がってます。(この点は前回までも同じ)
ただ「笑いの取り方」が「今風」な感じがする。
地声で「素」(普段の「舞咲さん」を知らないので一般人っぽい)の「笑い」。
「ツッコミ」も「アドリブ」的で絶妙ですが、かなり品を落として演じられてる印象。
「宝塚の舞台」のギリギリラインという印象。
自然な「笑い」の取り方で上手いし、舞台に溶け込んでいるので「宝塚らしさ」はあると思う。
「すみれコード」は、全然NGではないです。
ただ、あと一歩落とすと、一般の舞台の「笑い」になりそうなぐらい、ギリギリラインに見える。
難しいのが、それ位、インパクトがあるから、より舞台が「面白く」見える存在。
新『ファントム』と思った、新しい「笑い」を取る『カルロッタ』。
インパクトがあるし、新しい「カルロッタ像」で「舞咲さん」にしかできなさそうな演技。(アドリブっぽさが多い印象という意味で)
すごく面白くて、魅力的ですが、ふと、新『ファントム』に見える理由を考えた時、「エンターテイメント」な舞台と「舞咲さんカルロッタ」が浮かびました。
あくまで個人的感想なのでご容赦ください。
さいたまんぬ