『凱旋門』東京公演感想(つぶやきです)~「轟理事」の凄さ~
埼玉へ移住してから、観劇パターンが変わりました。
同じ回数でも、
ムラに住んでた頃は、①初日付近 ⇒ ②中盤 ⇒ ③千秋楽付近
(優先順位は①⇒③⇒②:①だと良ければリピートできる)
埼玉へ移住してからは、帰省時に大劇場で連日観劇。
連日だと、「役者の演技の変化」を大きくは感じません。
良い点もあります。
毎日観るので、記憶に残りやすいです。
最近、帰省サイクルの都合で、初日付近に観劇することが続いてます。
先日、久しぶり、東京公演の千秋楽付近を観ました。
宝塚大劇場で観たとき、『凱旋門』は難しくてわからん、と散々ぼやきました。
今回、名作『凱旋門』リベンジ。
・・・分からないなりに、良かったです。やっぱり「好き」ではないけど。
キャストの人物像がより深みを増して、受け止め方が変わりました。
特に印象が変わったのが、「轟理事ラヴィック」。
傷を抱えている男 ⇒ 病んでる男
「ラヴィック」が、トラウマを抱え「病んでる人」に見えると、作品に説得力が増しました。
鬼気迫る表情で、発狂しそうな自分を必死に抑えている姿がすごかったです。
やっと「轟理事」がこの役で受賞された事が分かりました。
歌唱は変わらず、ハラハラでしたが、苦悩の末「疲れ果てた男」感が出て、絶唱になってました。
「暗い過去を持つ男」系の作品は、あまり好きではありません。
そんなに大した過去でなかったり、そんな過去を持つ男に見えなかったりして、ツッコミを入れてしまうので。
(おそらく、私の理解力が乏しさが原因です。)
ただ、主役がここまで「病んでる」姿を痛々しく感じ、伝わってきたことがあまりないので、「轟理事」が「ラヴィック」像を深めたなら、この方じゃなきゃダメなのは分かりました。
そして、そんな「ラヴィック」を包み込む温かさをさりげなく見せる「望海さんボリス」は、やはり上手いです。
一見、飄々としているのに、内面の懐の深さと「ラヴィック」を思いやる気持ちが伝わりました。
「さりげなさ」と「一見飄々としている」のがニクイ男です。
「ラヴィック」の変化により、「ボリス」がより「いい男」に見えました。
「ジョアン」は、「あたしね、、」の台詞から、無意識に「あたし」の数を数え始めた点で、考えるのをやめました。
「ジョアン」の良さは、「分からんよ、何もかも」でした。
「真彩さん」は悪くないです。
「真彩さん」の持ち味に「ジョアン」は合っていない気がして、失礼ながら、より「ジョアン」の印象を悪くしてました。
「天真爛漫な女性」に、
「愛することによって、過去の傷が癒され、前向きに生きていこうと改心する男」
の物語なら、「真彩さん」合いそう。
「ラヴィック」の頑固さと、「ジョアン」の切り替えの早さは、合わないカップルです。「アンリ」との方が似た者同士っぽくて、お似合いなのにな~。
色々考えさせてくれた『凱旋門』。
考えた分、『Gato Bonito!!』より、印象に残ってました。
同じ演じ手でも、演技が変わっていき、受け止め方が変わる。
芝居の「醍醐味」を改めて実感した事を、忘れず書き残しておこうと思いました。
単なるつぶやきです。
さいたまんぬ