花組『A Fairy Tale / シャルム!』宝塚大劇場②~「水美さん」が気になる~

輝く”星”の座を譲る「紅ゆずるさん」ラストの場面。

”花”が咲き誇るのを見守り続けると託す「明日海さん」ラストの場面。

 

芝居のラストは、涙が出てしまう「引き継ぎ」を感じる場面。

「礼さん」「柚香さん」共に「2番手時代」、「紅さん」「明日海さん」の傍で成長されてきた、6~7学年下級生のお二人に「組」を託す、託される光景に、感動します。

 

「作風」と「トップさんの持ち味」が全然違うので、当たり前ですが、「花組公演」は寂しさがこみ上げる「サヨナラ感」直球なので、「芝居」も「ショー」も涙涙涙。

(退団公演は、涙ですが、今回は「作風」で更に涙を誘う・・・個人的感想です。)

 

 ご卒業される方は、独特のオーラで輝いておられますが、芝居の「城妃さんウィールドン夫人」は、美しいまま、去っていかれる役。

この「城妃さん夫人」を密かに慕う、屋敷の庭師が「水美さんニック」

 

「水美さん」の舞台を、前回観たのが『CASANOVA』のバルビ神父。

 その間、色々な公演がありましたが、今回、身に纏う雰囲気とオーラが変わった点では、一番驚いたお方 w(゚o゚*)w 。

「陽気でシャープ」な面を封印して、「穏やかで包容力溢れる雰囲気と浮かべる微笑」の芝居が、とても印象的でした。

一皮剥けたかのような、雰囲気の変わり様に驚き・・・とても魅力的でした。

(上から目線で失礼します)

 

一気に若返りを感じた脇キャスト(「現代人」組)に対して、「水美さん」は、「城妃さん夫人」と同じ時代を生きる、過去の人物設定(「回想」組)。

「回想場面」で、「城妃さん夫人」と共に舞台に出てきて、舞台上での存在が「淡い」。

妖精(人間ではない)の「明日海さん」とも違い、あくまで「過去の人」として淡い。

(⇔ 現代人はくっきりと存在している)

 

「城妃さん夫人」は今回、ご卒業で、その「淡さ」と、過去の時間で活き活きと生きる美貌が、切ないですが、ハマっていて、魅力的です。

 

ただ、「城妃さん夫人」と同じく、過去の時間を生き、包容力のある微笑みを浮かべながら、「現代人たち」を見守るような姿が、とても良いのですが、気になる「役柄」。

 

「柚香さん」と「華さん」は、話の中で(特に内面が)成長していくのに対して、「水美さん」は、成熟した役柄(「過去の人」なので成長しない)。

「現代人」組は、これから、希望を持って生きていくのに対して、「回想」組は、時が止まり、見守る辺りに「熟成感」と「少し寂しさ」を感じます。。

 

「現代人」組にも、「瀬戸さん」他、上級生は多いです。

「水美さんニック」の穏やかで控え目な役柄、その「抑えた」(静の)芝居は、かえって「いい役」で、目立つ気はするものの、「これから」組を見守るような役柄で、妙に気になる。

「壬生義士伝」で少し注目した、芝居の「ソロ」。

「城妃さん夫人」と、ほぼデュエットですが、「ソロ」がありました!!

なので、大きな役に見えるけれど、「城妃さん夫人」とのカップルぶりが似合うほど、「城妃さん寄り」で気になる。

「明日海さん」も去っていく側なので、基本は「城妃さん寄り」。

 

「水美さん」の役柄に、今後の立ち位置の不透明感が増しました。

「芝居」に新境地が見られて、成長を著しく感じつつ、「包容力」に溢れ、穏やかな笑みを浮かべて、技術が上手くなるほど、「柚香さん」の補佐組に回りそうにも見える・・・あくまで「役柄」からの個人的印象です。

 

「ショー」の「レジスタンスの場面」で、「倒れた華さん」の魂を「明日海さん」に送り届ける「エスポワールの男」水美さんのソロダンスは、神秘的で美しく、魅入ってしまいます(絶賛!!)。

ただ、「明日海さん」へ送り届ける役柄。

(雪組『Music Revolution!』で、「凪七さん」が「真彩さん」を「望海さん」の元へ送る感じに似ている)

ここでも、激しい押し出しの強さより、「幻想的な美」を感じる「静」の清らかなダンスは、個人的に新鮮なものの、一歩階段を上られた感。

 

 この「一歩階段を上られた感」が、今後の花組で、どのように活躍されるのか、気になる、大きな変化と成長を感じた「水美さん」(良かった!!)。

 

「ショー」の「フィナーレ」での男役黒燕尾服でのダンスは、

「明日海さんソロダンス」の後、

「水美さん」⇒「瀬戸さん」⇒「柚香さん」の順で、「明日海さん」と絡まれ、

  各々との「絡み」の違いに、感情移入してしまい、3名の「敬礼」に感動(涙)。

 

「水美さん」:最後に片方の肩を(明日海さんが)ポンと叩く⇒「水美さん」敬礼。

「瀬戸さん」:力強く握手し、その後、大きく手を拡げて受け止める感じから、敬礼。

 ⇒ ちょっと「執事」みたいで、「花組」の「お守り役」をしかと承りました!感。

「柚香さん」:感想①で書いた通り。

 ⇒「見守っているから、組を背負う立場を託しますよ」感。

 

  勝手に想像して、涙を流す「敬礼」ですが、「水美さん」への「肩ポン」が深い。

  急成長途上の「水美さん」と、下級生が台頭して活躍しているだけに、色々よぎりました。

 

 「明日海さん」の美貌に惑わされつつ、芝居も深みを感じ、「青い妖精」はラストまで進化し続けそう・・・。

 

  今回、物理的な出番は、特に「芝居」は少なめでしたが、それ以上に、雰囲気にやわらかさを纏い、存在感が異彩を放っていて、印象に残って気になる「水美さん」です。

 

  さいたまんぬ

  


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