花組『A Fairy Tale / シャルム!』宝塚大劇場①~初観劇の印象~

「美しい・・・」(ポスターそのままのお姿)

妖艶な「妖精」

人間ではない存在を違和感なく演じられる役者が舞台に存在し、出会えた奇跡に感動!

「明日海さん」にしかできない役。

「フェアリー」の一言では表せない、長年培ったものが凝縮された、究極の「人間ではない役」。

人間には見えない役なので、「淡い色で儚げに発光されている」、静かな佇まいに、青いオーラで一際強い輝きを放っている・・・超人的な存在感。

「この世に存在しない青い薔薇の精」役は、「明日海さんの集大成」に納得。

「明日海さん」の魅力は、この「薔薇の精」に詰め込まれておりました。

 

全く予習せず、MY初日は劇場へ駆け込んだので、

芝居の内容は、ちょっと・・・横置きで、

「明日海さんの集大成」・・・「究極の美」をひたすら眺め、「明日海りお」という稀有の「スター」が存在したことを、目に焼き付けて記憶に残すための作品。

 

個人の感想なのでご容赦ください。

 

「罪過ぎる美貌」が際立ち、「芝居の魅力」が影に隠れてしまうけれど、やはり「人間ではない役」が美ジュアルから似合うお方だと思いました。

後から、緻密に裏付けされた芝居力をじわじわと感じる繊細さの中に、芯の強さを感じる「青い薔薇の精」は素晴らしかったです。

 

「柚香さん」は人間の青年役が、等身大で似合っていて、「華さん」も「純粋に妖精を信じる少女」が似合うので、やはり「明日海さん役ありき」の芝居作品。

 

 サヨナラ公演は、トップスターさんの魅力を最大限に活かして作られる「オリジナル作品」はいいなぁと、思いました。

 

「明日海さん」演じる「薔薇の精エリュ」は歳を取らず、時が止まったように変わらないけれど、人間の世界は、時間が流れる。

 「エリュ」は、いつまでも「明日海さん」がタカラヅカの世界に存在してくれるような錯覚から、旅立ちの時が来ることを実感させられるような役に感じました。

  また、脇役の顔ぶれが、かなり若返り、「人間の世界」の時間の流れ(=次の花組時代)に、「エリュ」が去る(別の世界へ旅立つ)時が来たことを感じ、「エリュ」は、舞台上で淡い色で存在しているだけに、すでに消えかけているようにも見えました。

 

「エリュ」の存在は、幻だったかのようでも、実際見た人物の心の中では生き続けていく・・・「いかにも」な作品ですが、「エリュ」は、「人間の活動する世界」を見届けてから去っていく辺りに、涙が流れます。

 

 「華さん」も、「相手役」というよりは、「ヒロイン」として存在していました。

(芝居が良かった!)

 「水美さん」の芝居が、いい意味で変わり、印象に残りました。

 「芝居の役」も「ショー」も、シャープさより、肩の力が抜けたかのような柔らかい雰囲気が、個人的には新鮮で、印象的でした。

「陽」が強いイメージから、今回は「静」が似合っていました。

(「瀬戸さん」に似ている印象から、お二人の雰囲気に違いを感じた。)

 

「芝居」⇒ 「明日海りおの男役像」の集大成を見せる

「ショー」⇒ 「花男:明日海りお」を見せる

 

「男役」と「花男」にこだわり、追究し続けた「明日海さん」のラストの「ショー」。

感動場面は、「フィナーレ」の大階段からの男役黒燕尾の「群舞」と「ソロ」。

「愛遥かに」の曲が涙を誘います。

後半、スターさんお一人ずつと絡む場面で、特に「柚香さん」との場面!!

「柚香さん」の背中を押す「明日海さん」と、その時の「柚香さん」の姿に涙しました。

この場面、芝居じゃないけれど、「柚香さん」ベストアクトで、忘れられない名場面に感動しました(少し失礼ですが絶賛してます)。

そして、「CHE SARA(ケ・サラ)」を銀橋を渡りながら歌う「明日海さん」に、初観劇からいきなり、「退団」を意識させられる曲と歌詞に、涙。

(最近、涙の安売りしてるかのようですが、違う種類の涙)

 

この2曲は、帰宅後「You Tube」で聴き直しました。

(聞いたことのある曲で訳詞が色々ある:劇団ホームページ参照)

 

初見の印象は、

「明日海さんを堪能し、お別れの時を実感させられる」作品。

「次世代」を見届けるような雰囲気と「顔ぶれの若返り」。

 

「花組」の大きな一時代が終わりを告げようとしている、というよりは、すでに前の公演でかなり終わりを迎え、最後の戸締りを「明日海さん」がされて、去っていくような印象の公演です。

(花男様は細すぎ・・・とも思いました)

 

さいたまんぬ

 


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