『エリザベート2019年版』帝劇⑦:悩ましい、切なくて魅力的なWフランツ(田代さん・平方さん)

来年も東宝版『エリザベート』が上演されるなら、ヅカ版は、お預けかな。

個人的には、花組「柚香さんトート」、月組「蘭世さんエリザベート」が浮かんだものの、数年先なら・・・。

 

昨日、書いてしまった「フランツ」の個人的感想。

カウントダウンが始まってから、改めて観た『エリザベート』。

 

自己満足の個人的な感想なのでご容赦ください(長い)。

 

「平方さんフランツ」が熱かった !!(゚ロ゚屮)屮 。

とはいえ、「田代さんフランツ」は緻密で、細部までこだわりを感じて、素晴らしい。

お二人の「フランツ像」の違いが魅力的で、悩ましい舞台でした。

 

☆.。.:*・゚☆「皇帝の義務」を当然と受け容れている「田代フランツ」☆゚・*:.。.☆

 母「ゾフィー」仕込みで、反発することもなく、後宮で、帝王教育を受けて育ったような「模範的な皇帝フランツ」。

 青年期は、葛藤は多少あっても、「皇帝だから」と、諦めがよさそうで、気品漂う「田代さんフランツ」☆゚・*:.。.☆

「気品漂う」雰囲気が「花總さん」っぽく、「貴族」が似合うお方だなぁと思います。

「書類」に押印する仕草など、几帳面そうで、「皇帝のふるまい」が身に付いていて、芝居なのか、素なのか、分からない位、自然でした。

  産まれた時から「ゾフィー」に仕込まれて、身に沁みついている「皇帝の義務や価値観」からは、「シシィ」の不自由さを心底理解するのは難しそう。

「皇帝の義務」が最優先事項なので、ハンガリーへ一緒に来て欲しい時などは、積極的に、母上に交渉しに行ってるように見える・・・。

  子育ても、自分基準だと、養育係に任せれば良い、と思っていそう。

  自分の立場に対して、物分かりが良く、自己制御力が自然と身に付いている「田代さんフランツ」。

「共感できない」けど、「愛」ゆえに、葛藤した上で、「シシィ」に譲歩している感。

 

☆.。.:*・゚☆「皇帝の義務」と諦めて受け容れる「平方フランツ」☆゚・*:.。.☆

 1幕の青年時代の執務室で、「母ゾフィー」の存在と、自分が下す命令する際に、「諦め感」が滲んで見えた若い「フランツ」。

 皇帝の立場が窮屈そうで、普通の若者らしさを少し感じる「平方さんフランツ」。

 なので「シシィ」に共感できるけど「諦めなければいけないんだよ」と自分の経験から言い聞かせているように見えました。

 

「シシィへの愛」が、唯一「皇帝」ではなく「フランツ一個人」として譲れない点は、Wフランツ共に、切ない位、ひしひしと伝わってきました。

 

「皇后の義務なんだから理解しなければならないよ」の中に、

  シシィに対して、共感できる気持ちの有無が「Wフランツの違い」だと感じました。

 

  個人的には、「ルドルフ」と違い、「ゾフィー純粋培養仕込み」の「フランツ」は、「田代さんフランツ像」が「フランツらしい」と思いつつも、「平方さんフランツ」は「熱さ」が斬新でインパクトがありました。

 

「夜のボート」の場面で、

 フランツ「分かって~♬」

 シシィ「無理よ~♬」

 「フランツ」の「分かって」に、「平方さんフランツ」は共感できるものがある分、切実さが「プラスアルファ」されているように、「号泣」する姿から感じました。

 

「田代さんフランツ」は、「シシィ」が去ってから、愕然とした表情を浮かべる姿が印象的でした。

・・・「田代さんフランツ」には「シシィ」が求める「自由」は、分からなさそう。

 

この「父親」の違いで「ルドルフ」もしっくりくる組み合わせがあったので、「京本さんルドルフ」が(自分の理解 or 平方さんの変化に)間に合わず(観れず)、少し残念。(「平方さんフランツ」の方が感情的!?)

 

というわけで、

「平方さんフランツ」の「求めるものが多すぎるよ~♬」に切なさを感じ、共感して泣けました。

 

「田代さんフランツ」は、永遠に理解できなさそうな「壁」を感じ、育ちの違いで、どうしようもないため、切なさを感じて泣けました。

 

 情熱的に愛をぶつける「平方さんフランツ」は、6月には個人的に感じなかったので、改めて千秋楽間近で観た時、驚きました。

 

 歌唱は、「田代さん」絶品ですが、「持ち歌」が華やかでない分、「芝居」のインパクトが強い「フランツ」。

とはいえ、情感たっぷりの「歌唱」は、素晴らしかったです。

 「平方さん」も、「情感」で歌い上げられていて良かったです。

 

熱く語った「Wフランツ」ですが、「トート」「エリザベート」「ルキーニ」に比べると、地味な役に見える「フランツ」。

 

「エリザベート」と共に、若い頃から老年期まで演じる割に、険しい表情が多く、「髭もじゃ時代」も長くて、表情が見えにくかったりと、コスパが悪い気がする・・・。

ただ、今回ガン見して、感動した『エリザベート』には欠かせない、重要なお方です。

 

さいたまんぬ

 


にほんブログ村