上手いけどしっくりこない「鳳月さん」のスター性~「超極悪人」が似合わない~

「持ち味が違う」、「演技が今イチ」で片づけられない「鳳月さん松倉藩主」。

この方は安定して、上手い。

今まで観た役で、憑依しているかのような程、ハマっていた役はないけれど、

最近では「あかねさす紫の花」の中大兄皇子は、すごくツボで感動的でした。

 

大分、心の整理がつき、「ポスト明日海さん花組」は、「柚香さん」以下が主軸になる事への、覚悟はできてきました。。

今年の、個人的ヅカ流行語大賞の候補に「別格スター」もランクインしました。

劇団は、「別格スター」を明確にしないところが、未練と希望を持たせ、中途半端感を抱かせるところ。

 

ただ「別格スター」の存在によって、作品に厚み・深さが出て、面白くなったことは事実です。

でも「別格スター」に頼り、若い有望株に「いい人」役や軽めな役しか本公演で回らないと、益々「別格スター」が増えるだけの状況に陥りそうなのも事実です。

 

ついでに、最近2番手に「おいしい役」が配役される印象があります。

今、2番手の方々は、〇組を除けば、ほぼ安泰なスター街道を走ってトップスターに就任されそうな方々揃いです。

なので、「救いようのない悪役」は回したくないのか、「基本はいい人キャラ」「おいしい役」が配役されるのも、主に「別格スター」が引き受けるおかげです。

せめて、3番手が引き受けたら、実力が底上げされるのに、「別格スター」に回す方が悲しきかな、舞台の質が上がります。。

下手に3番手が引き受けて、上手くて似合っていて「悪役専科」になると、路線から外れる危険性もあり、人事は難しい・・・。

 

前置きは長かったですが、作品内で、「超極悪人の松倉藩主」は、2番手が演じる程、大きな役でもない人物。

個人的には、「水美さん」演じる「松平信綱」役の方が難しい気がする。

それはともかく、「鳳月さん」が演じることになりました。

確かに、安定して上手いので、「極悪人」役を無事務めてくれそう。

期待通り、無事務めてくださいました。

でも、しっくりこない。

 

上手いです。

片方だけ口角の上げた表情や視線の使い方.etc、「明日海さん」系で計算されてる点も多い緻密な演技。

でも、しっくりこない。

 

持ち味が違う ⇒ 悪役が持ち味のジェンヌさん、ましてや「スター」なんていない。

誰が演じても、しっくりこないので、上手そうな「鳳月さん」に配役された!?

大変失礼ながら、ここは「専科」の方に任せてもよいのでは・・と思ったりしました。

でも、人材豊富な花組、目立つ役ではあるので、「スター」の「鳳月さん」に配役。

オリジナル作品なので、脚本家先生の充て書きなのかな・・・!?

 

普段、役が、しっくりこなくても、そこそこスルーします。

でも、朝日新聞「月刊タカラヅカ」の、「救いようのない極悪人に挑戦すること」にスポットをあてたインタビュー記事が掲載されていた位、注目の「極悪人役」。

 

「演技巧者」で評価を得ている「鳳月さん」が、しっくりこない。

こなせない程の難役というよりは、

「鳳月さん」は、基本的に「スター路線」の方なんじゃないの!?

と思ったのは、贔屓目でしょうか?

 

元々、元宙組大空祐飛さん」に似ている印象もある「鳳月さん」。

「大空さん」はトップスターに就任されたのに、「鳳月さん」がなれないとしたら、「スター性」「実力」「人気」がやはり不足しているのでしょうか。。

 

確かに、「鳳月さん」贔屓でも、「柚香さん」の方が、花組次期トップスターに似合うし、素質(華やスター性)があります。

そう、花組の雰囲気と、「分かりにくい」スター性が、惜しい点かなと思ってます。

 

宝塚歌劇のトップスターは、華やかで分かりやすいスター性を持つ方が向いてます。

特に、花組のトップスターさん選びは、個人的に姑度が高くなります。

5組あるから、色々な個性のトップスターさんがいた方がいいと、理事長は仰ってました。

なので、他の組なら、ありえそう。

しかし、今、欠員なしの満席で、どこも難しい。

そして、学年・・・。

「鳳月さん」は、皮肉にも、「花組」に来て、魅力が開花した印象もあります。

 

「トップスター」は、決して「運」だけではなれないけれど、時期的な「運」は少しありそう。

「鳳月さん」の「スター性」は分かりにくいです。

芝居で「いい役」は、後からじわじわと良さを感じます。余韻も残る。

芝居で「悪い役」は、「嫌なやつ(怒)」と即効性で分かります。

そんな感じで、「鳳月さん」の良さは、じわじわと感じる、熟成されたワインのよう。

「熟成されたワイン」は、「別格スター」になってしまうのか?

「別格スター」の役柄は、「トップ路線にさせられない役」「難しい役」でいいのか?

そもそも「別格スター」ってどういう存在!?から始まります。

 

「鳳月さん」は、「個性派スター」ではない気がします。

(「個性派」の定義によりますが・・)

ポーの一族」の時、ちょい悪ですが、青年役はとても爽やかで似合ってました。

「トップスターさん」でも「個性派スター」はいらっしゃるので、このままの扱いでおいておくには、惜しい感じがする。

何とかならないの?と思いました。

 

ただ、繰り返しますが、今、どこの組も上級生は厳しい状況。

そこへ異動したところで、扱いが変わらないだろうし、やはり「運」もあるのかな?

 

個人的な感想なので、ご容赦ください。

 

さいたまんぬ

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