『マリー・アントワネット』帝劇:感想⑦「個人的ツボ」なWキャストの違う演技の場面
同じ台詞でも、仕草や表情が違うと、印象が変わる、Wキャストの醍醐味。
その違いが、キャストの方々の思い描く人物像なので、演じ方の違いをつい、見比べてしまいます。
得られるのは、「ほぉ、面白い」位ですが、大きな楽しみです。
今回も、個人的感想と備忘録(メモ)です。
演技は日々変わっているので、観た時の印象であることをご了承ください。
①「アントワネット」が「プチ・トリアノン宮殿」でフェルゼンに説教される場面。
(この舞台セット、「レディ・ベス」で使われてたような・・・気のせい!?)
「アントワネット」は、「フェルゼン」にお茶を入れながら、話を聞いてる。
「フェルゼン」は国を憂い、財政難など現実を直視すべきだと真剣に説教してる。
「花總さん」は、「聞いてる」だけで、他人事。全く気にせず、お茶を淹れてる。
「フェルゼン」とお茶できる時間の方が大切で嬉しそう。
「気にしすぎよ~、そんなに心配なら、わたくしを守ってちょうだい。」
と「フェルゼンLOVE」で聴き入れない様子・・・に見える。
本当は分かってるけど、目を背けたい現実なので、振舞っているようにも見える。
「フェルゼン」とこの楽園にいる時間位、現実を忘れたくて、そう振舞っているよう
にも見えるけど、天然に、全く気にしてない様子なので、深読みしすぎとも思う。
分からない。
見せない辺りが「上手いなぁ」と思う場面。
「笹本さん」は、「(分かってるわよ)そんな現実的な話なんて聴きたくないわ。」
とうんざりした表情を浮かべてる。せっかく、自分の楽園を作って、現実逃避してる
のに、持ち込まないでよね。と、ややイラっとして見えなくもない。
「国の深刻な状況は薄々分かってるけど、現実からは目を背けたい」という感じ。
分かりやすい「笹本さんアントワネット」の方が、一見、現実的な感覚を持ってい
るように見えます。
なので、フェルゼンが「分かってるくせに」と、イラっとする感じで、
「LOVE度」が低い印象へと繋がる。(「田代さんフェルゼン」との場合)
②夜、「アントワネット」と子供たちが「ルイ」の部屋を訪れ、子守歌を「アントワネット」が子供たちに歌い聞かせている時、「ルイ」が子供たちに手製のおもちゃを渡す場面。
「佐藤さん」は、割と普通に渡して、家族の幸せを噛みしめている表情。
「原田さん」は、渡す前、側に控えているランバル夫人に、目配せをして、
「そうだ、子供たちにプレゼント渡そう、秘密だよ。」と合図して、取りに行き、
渡し方も、子供たちを驚かせたいお茶目さが垣間見える。
その後、「アントワネット」と子供たちがお祈りする時、あまり信仰心なさ
そうだけど、家族として、一緒に祈るふりをする辺り、「パパ」らしい。
「原田さん」の演技の細かさが一番分かりやすく「上手い人」の印象を受けた場面。
「彩乃さんランバル夫人」の表情は、やや「ルイ」に同情的で切ない目で微笑を浮か
べてる。
とはいえ、家族の団らんを、微笑ましく見守る、「いい人」☆゚・*:.。.☆
③一家が逃亡した後、捕まり、監禁部屋で、「アントワネット」が子供たちに子守歌を歌って寝かしつける場面。
「佐藤さん」は、温かい眼差しで見守り、その後、メガネをかけて本を読む。知的。
スポットライトは消えるけど、本を読んで起きてる。
(家族優先で大切にしつつ、自分の気を紛らわせたり、自分の好きな事はする印象)
「原田さん」は、本を読んでる途中で、寝てしまう。
(逃亡に疲れた姿を、家族には見せず、後でつい気が緩んで寝てしまった印象)
この場面で、「アントワネット」は「マルグリット」にこっそり、手紙(密告文)
をフェルゼンへの「ラブレター」と言って、渡すように頼む。
「フェルゼンへのラブレター」と小さい部屋の中で言ったら、聴こえそう。
なので、「原田さん」の方が説得力はある感じ。・・・やはり細かい演技。
④「アントワネット」が裁判で尋問を受ける時の「アントワネット」の表情
(前に書きました)
「花總さん」は、子どもと夫、全てを奪われ、もはや生きる希望を失った表情。
(虚ろな表情)
「笹本さん」は、凛として、最期まで「皇后」としてのプライドは捨ててない。
負けないオーラで、少し強く見える。
お二人共、同じく「自分は悪くない」と思ってる。
それを伝えても、無駄と、諦めてる「花總さん」
最期まで、伝えよう、プライドが許さない「笹本さん」
「どっちもあり」なので、悩ましい、涙の場面。
お二人「アントワネット」も暴言を黙って聞きながら、涙を流してる。
「アントワネット」が発言する番になり、真剣に話を聞いてるのが、
「マルグリット」と「ロベスピエール」!!
(動揺する「マルグリット」に対して、表情は変わらないので、個人的にそう見える
だけかもしれない「ロベスピエール」)
民衆は、「言い訳にしか聞こえないから、スルー」編み物してる。
結果として、「死刑判決」を下す「ロベスピエール」。
でも彼だけが、裁判側の人間で真剣に話を聞いている辺り、恐怖政治前の冷静さ、
生真面目さを表している姿勢に見えなくもない。
(史実は、違うと思いますが。。個人的に見えただけ。)
大きな行動・仕草で印象に残る違いは、こんな感じです。
ただ、台詞の語り方や行動、表情で、Wキャストの描く人物像がかなり違って見えました。
面白い°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°。
「フェルゼン」は、「田代さん」の方が、「アントワネット」を助けたい必死さと、
王家と民衆の生活の違い、王家の危機感のなさを肌で感じて、伝えようと必死なのが、
強く表れて見えます。
「マルグリット」は、「ソニンさん」は自分が積極的に、革命に関わって行動しており、強く引っ張る感じが、「リーダー」っぽい。そして「憎しみ」が強い!!
やはり「昆さん」だとやさしさが見えて、不憫さの方が印象に残る。
でも、二人の「マルグリット」は、架空の人物なだけに、どちらもありえそう。
見応えや迫力と「役に徹する」は別だな~とお二人を見て思いました。
(お二人に関係なく一般論です。華やかな「スターさん」が地味役に徹する感じ!?)
「坂本さんジャック・ピエール」は、二人の「マルグリット」に合わせて、演技を変
えているようにも思えてきました。
「ソニンさん」だと、共謀犯(オルレアン公、ジャック、マルグリット)に見える。
「昆さん」だと、オルレアン公の小間使いと、騙された少女に見える、3人の違い。
「押し出しが弱い人」と言った「彩乃さん」。
常に、「アントワネット」の傍で、「国王」、「フェルゼン」との関係も見ているので、全てを知ってるけど、心の中に閉まって「アントワネット」に寄り添う人。
感情が大きく表れたのは、監禁部屋での、国王の「ソロ」前後、
「アントワネット」と「国王」を順番に見つめて、涙を静かに流してる辺り。
作品で、最期まで、「アントワネット」(と国王一家)を裏切らなかった夫人。
「寄り添い度」がやっぱり素晴らしい。
ただ、「宝塚OG」が頭をよぎると、「私はあなたの心の友です」の台詞。
「花總さん」と「彩乃さん」だと、「先輩やん」と思ってしまう。
これは、芝居に関係ないです。
難曲なので、「歌唱力」と「声量」が分かりやすいのも、この作品の特徴。
「彩乃さん」のソロ、低音域だからか、上手い方ですが、本来の音域と違うのか、
やや頑張ってるイメージ。お腹に手を当ててます。
日によっては添えてる程度だけど、腹筋使う歌なんだろうな・・・
難しい曲を歌いこなしているのに、憶えられず、そんな思いがよぎる曲。
(個人的感想です)
同様にお腹に手を当てている方・・・「古川さん」。
フェルゼンは曲目が多いです。かなり頑張られてると思います、すごい。
(えらそうで失礼します。)
やはり、お腹に手を当ててる時は、難しい音域だったりします。
さりげない仕草だけど、つい気になって見てしまいます。
その辺りが余裕で、最も迫力があり、声量豊かでハリのある歌唱のお方。
「吉原さんオルレアン公」。
マイク要らないと思う。
皆様、基本歌上手くて、感情がこもってるだけに、話の内容からも涙が出る作品。
好きな組み合わせが、上手に分けられた2つのバージョンで発売されるDVD。
きっとリピートする費用より、買った方が総額は安いかも・・・
と思いつつ、チケットを探して、寝不足は続く・・・。
10月から始まってたのに、ハマるのが遅かったです。
・・・ムラで宙組公演観てた!?
あと、抽選に外れたと、思われます。
「愛」と「情熱」はあっても、最も必須なのは「お金」で、次「体力」
・・・ないものねだりせず、破産しない程度に、コツコツ楽しみます。
聞いてくれる人がいないので、書いて消化してるので、ご容赦ください。
最後まで読んでいただいた方は、ありがとうございます (TmT)・・・
さいたまんぬ