婦人公論(2018年11月13日号)城田優✖山崎育三郎「僕らのミュージカル愛!!」を読んで(ぼやきです)

ミュージカル界で人気のお二人。

スタート時点は、城田さんはテレビ・映画からデビューした?感じで(セーラームーンの舞台?)、経歴は追っかけてないので、分からないです。

ただ、最近のミュージカル人気を牽引した若手俳優さんの中のお二人と思います。

そして、活躍の場をお二人共、舞台からテレビまで様々に拡げてます。

 

仲良しのお二人が、日本のミュージカル界、舞台の話から、彼らの今後の夢?を対談されてます。

「ミュージカル」への愛は感じます。

ただ、昨日ざっと読んで、違和感。

本日もう一回読んで、やっぱり違和感。

 

お二人の対談の内容は正しいとか正しくないとかの類ではない、ただの対談です。

仲が良いからこそ、ざっくばらんに話せる会話。

現場を知り、経験したからこそ思うことを述べられているので、単に観てるだけの自分があれこれ言うことないけど、違和感が残りました。

 

お二人の語っていたことで違和感を感じたことの概略は、

・「レ・ミゼラブル」に出演したとき、稽古場の緊張感が舞台より強かった。

⇒エンターテイメントは楽しむ場なのに、稽古場が緊張感があるのはおかしい

 開放感を「城田さん」が「ロミオとジュリエット」で持ち込んでやりやすくなった。

 

・外国では「レ・ミゼラブル」も500人規模の劇場でする芝居。

客席でなく、相手役の顔を見て演技するように、「ミス・サイゴン」の時(多分)外国人の演出家から言われて、相手役に集中して演技したら、すごくやりやすかった。

 

他にもいろんな事を対談されていて、もちろん共感することもありました。

尊敬することも仰ってます。

・外国のミュージカルを日本語にあてはめるから違和感がある。

 ミュージカルをもっとみんなに観てもらいたい。

 だから日本発のミュージカルを作りたい。.etc

 

「違和感」は、「宝塚歌劇」の世界を主に観てるから、感じたのかもしれません。

稽古場が緊張感があるのは、

他人の演技を見て、どう演じるか見てみたい。

先輩の芸を学びたい。

演出家の意図を聞き漏らさずに、汲み取りたい。

でも、外の舞台でも通じることだけに、そんな空気が流れるのは当然と思ってました。

ましてや「レ・ミゼラブル」は、ミュージカルの大御所が集まる舞台。

大先輩に見られながら演技をする緊張。

激戦の末、手に入れたキャストも、トリプルキャストなら、ライバルとして意識したり、稽古場に緊張感はあるのは当たり前な気がする。

 

若い人や少人数での芝居なら、確かにワイワイ楽しく作り上げようという雰囲気は分かります。でも、大先輩がいたら、そうはいかなさそう。

 

稽古場の空気が舞台にどう影響するのか知らないし、恒例の解釈違いの可能性もありです。

 

宝塚の雑誌を読んでると、2階席まで届くような演技をすることを意識するようにしている云々と仰ってることがあります。

やはり、大劇場という大人数の観客を意識したお芝居前提です。

 

お二人を含む、新たな若手俳優さんによって、ミュージカル界が活性化し、今ちょっとしたブームなのは確かなので、彼らの指摘が、ミュージカル界がマイナーな世界止まりだったのかなぁとか、考えてみました。

個人的には、価格が高いのが、敷居が高い一番の理由です。

少人数程、案外高い。

また、今のブームは、2.5次元舞台が増えて人気があることにもあります。

この舞台は、出演者が若い人で固められてそうなので、開放感がありそうなお稽古場。

(観たことないので、想像です。)

 

お二人は、ミュージカル界を活性化させてくれた立役者ですが、今やミュージカル界を飛び出して他の世界でも活躍されてます。

大御所は、ミュージカル界で活躍し続けてる方々が大半を占めてます。

(私が知ってるグランドミュージカル系に限って言ってます)

そして、舞台を引き締めていらっしゃる面々。

開放感のあるお稽古場で舞台に出演する時に、出演者の気持ちが軽くなるのは、とてもいいことです。

人気が出て活性化するのもいいことです。

ただ、割と堅そうなミュージカルは、お稽古場も緊張感がある気がします。

(たまにテレビでドキュメントしてたりする)

ミュージカルの舞台が多い「宝塚歌劇」や「劇団四季」等は、在団中、原則テレビでは活躍しないです。

ミュージカルを中心に仕事されてる方も同様。

舞台での芸を磨くことに、集中されてます。(他にも理由はあるかも)

だからこそ、芸を究められ、堪能させてもらえるから、高いチケット代と思いつつ、観てしまいます。

 

日本発のミュージカルを作っていきたいというのは、大賛成です。

ミュージカル俳優以外の仕事を掛け持ちしつつ、色々やりたい(芝居を作る等)という思いは、目標に向かってて、すごいと思います。

でも大御所が舞台には不可欠で、大御所になるにはやはり、経験年数が必要かと。

 

大御所の大先輩に対して、尊敬の念を持ち、緊張感の中、大きな作品を作り上げる事は素晴らしいと思うのですが、窮屈だとやりにくいのかな・・・・・(考え中)

 

そして、せっかく「ミュージカル界」で人気と実力ある山崎育三郎さんは、今、テレビ界の方への進出に力を入れていらっしゃいますが、実力ある若手俳優さんが、「ミュージカル界」に満足して、少しずつテレビ界へシフトされることは、寂しいです。

(撤退されてないです。ただ、以前、目標にしてた3つの役を30代でできたのが1つの区切りと仰ってた)。

中堅どころが限られてるなぁ、後進が育たないなぁと思ったり。

 

あくまで、お二人の考えで、「ミュージカル界」で活躍し続けていらっしゃる方もいらっしゃいます。

ただ、「城田さん」の「トート」役は画期的で印象的だったし、パフォーマーとして魅力的な方です。

作る側に回りたいと仰ってるけど、パフォーマーとしても、もっと活躍してほしいだけに、お二人のざっくばらんな対談に、色々思ってしまいました。

 

長々と書きましたが、要は、

演じる側も、堅苦しい雰囲気だから、もっと開放的になれば、やりやすくなって演じる人が増え、活気が出ると言いたいのかな?と思いました。

そうなると、出入りが激しくなり、中堅俳優以降が減ったり、舞台の質が低下しないかなと思ったりしました。

私の妄想です。

 

楽しい対談なので、そこまで重く考えることではないのですが、若手代表格のお二人の考えなだけに、思いました。 

でも、書いてて、私の価値観が古臭いのかな?とかも思ったりしたので、ぼやきです。

 

さいたまんぬ

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