中山可穂著「娘役」~宙組退団者と花組休演者の発表~

宙組退団者が発表されました。(敬省略)

風馬 翔
花咲 あいり
朝日奈 蒼
舞華 みりあ

鷺世 燿

 

そして、花組の「亜蓮冬馬さん」、東京公演の全日程休演も発表されました。

 

退団は、人によって、時期や事情は違えども、大好きな宝塚の舞台を卒業する決意に至るまでの葛藤、それまでの日々を思うと、切ないです。

在団年数や、その同期の活躍を思うと、色々考えてしまいます。

上級生と下級生でも、見送る側の同期の気持ちもまたそれぞれ違うでしょう。

 

休演される花組「亜蓮さん」についても、本公演、新人公演で役がつき、「ホープ」としての活躍が期待される時期の休演、怪我の程度も心配なものの、悔しいでしょう。

 

計り知れない努力と競争の世界、それでも報われる人は、ほんの一部、才能と運が恵まれている人。

 

察することしかできませんが、「休演」は、復帰して再び舞台でお姿が拝見できます。

怪我の回復をお祈りすると共に、また元気なお姿を拝見できるのを楽しみに待っています。

 

本と関連させるのは、不謹慎と思いつつ、読んでいる最中だったので、より、退団発表と休演発表が、心に響きました。

中山可穂著『娘役』(2016年4月30日初版発行 角川書店

 

ご存知の方にはくどいかもしれませんが、『男役』『娘役』が出版されています。

『男役』の主人公は、新人公演主演に抜擢された「新人有望株」の男役

『娘役』の主人公は、新公抜擢後、路線から外され娘役スターとして活躍する娘役

 

私は、再再読位です。

(好きな本は6回位再読・・・)

そして、『娘役』の方が好きです。

『娘役』はもう一人主人公、とあるきっかけでファンになったヤクザ(男)がいます。

・ファン目線の描写:無縁の世界と思っていた人がハマる過程の心情と宝塚の魅力。

・路線から外されても頑張る娘役さんの心情。

何より、著者が、「宝塚歌劇の魅力」を「客観的に」描写している箇所が、的確にツボにハマります。

知らない作家さんでしたが、人気が出たら、『雪組篇』『専科篇』等シリーズ化を目論んでいらっしゃるそうなので、楽しみです。

 

『娘役』の主人公娘役は、舞台に対する想いと同時に、退団時期を考えていますが、スポットライトを浴び続けてきた「スターさん」とは少し違います。

誰もが憧れる「トップスターの座」は、手が届かない「夢」であり、純粋に「宝塚の舞台」を愛する気持ちで立ち続ける姿。

目標は「トップスターの座」だけではないという現実が伝わってきます。

また、同期や上級生との絆が、美化され過ぎな感じが、「ファンの理想のコンビ愛」を代弁してくれてます°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

 

今回、宙組の退団者発表が、丁度読んでいる最中だったので、退団される生徒さんの学年や期の状況を想像したり、花組「亜蓮さん」休演の悔しさ等、いつも以上に感じるものがありました。

 

ジェンヌさんが見せる涙は、「お芝居の演技」と、素では卒業時や感動の「涙」。

美しいもの、感動するものだけを見せてくれる夢の世界。

 

宝塚関連本の中では、異色です。

重ねて申し上げますが、本に関連させて、失礼しました。

 

さいたまんぬ

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