ロシア式の挨拶~雪組「凱旋門」~
雪組「凱旋門」でラスト、ラヴィックとボリスが別れる前に挨拶をします。
ボリスが「さぁ」と、腕を広げたとき、
ラヴィックが「ロシア式の挨拶は苦手なんだ。」と言います。
(微妙に、台詞が違うかもしれません。)
ラヴィックとボリスが「キス」をするのが挨拶として「一般的なのか?」
「ロシア式の挨拶」について、調べてみました。
色々な説があったので、一番多くて無難なものを採用しました。間違ってたらごめんなさい。
(結論)
・男性同士の挨拶は「握手」が基本
・より親密な関係になると「ハグ」して頬と頬を右左右と3回寄せあう挨拶。
これは女性同士、男性同士、男女間でもする
・手袋をしたまま握手せず、寒くても必ず右手の手袋はとってから素手で握手
(握手した瞬間に相手の手の湿り具合、温度、握る速度、力等々から
相手に関するいろいろなことに気付いたり、分かるから!?)
「意味のない笑顔はバカの印」ということわざもあります。
ロシア人は人前で、あまり笑顔を見せない。ロシアの常識では、特別親しい相手でないかぎり、一緒に談笑することは考えられない。体制の厳しい監督の下で生活していたことが原因だと考えられる。さらに笑いは心から発するものとされ、形式的な微笑みはロシア人が苦手としているものである。
「キス」の挨拶とことわざの差から、
「ロシア人って、一見人見知りだけど、一旦心を開くと超愛情表現が熱いのね。」
と、この時点では、感じました。
もう少し拡げて、「挨拶」の世界の違い
①礼
「お辞儀」は、最も人間の弱点である「頭部」を相手に差し出して、しかも視線は相手を見ずに下に落とす。
見ようによっては最も無防備な相手を信じ切った行為。
「お辞儀文化」は基本的には上下関係に基づいたものであるとも言える。しかも上位の者に対しては徹底的な従順の意を示さなければならない。逆らうことは許されない。逆らうことは反逆であり、集団の秩序を乱す行為でもある。
② 握手
イスラムの習慣で、利き手を制することで武器を持っていないことを表現している。
握手は、お互いに目と目を見合わせて、お互いの手と手を握り合う。握手をしている図は握り合った手を中心とする点対称であり、お互いには全くの対等の行為。
どんなに偉い人と握手しようと一人の人間としては対等。どんな偉い人であろうと個人同士は対等であるところから出発している。
③ハグ
握手をするだけでは安心できない場合、相手を抱き寄せ、背中をたたいて武器を隠し 持っていないか探ることを表現している。
④キス
互いの頬を舐めあい、その肌に含まれる塩分を吸収する、という栄養面の理由からき ている。所説あり、これは一説です。
(「世界とつながる挨拶~礼儀の国、日本より~の論文」一部引用)
このように、挨拶の「違い」の理由として考えられるのは、
①パーソナルスペース(個人空間)
②宗教
③歴史的背景
があるみたいです。
色々調べたものの(ネットですが)、「ロシア人の男性同士のキスの挨拶」はやや古い年代に多く、今は少ないとか。
ロシアの「キス」挨拶が栄養不足解消から薄れたとは違うでしょうが、「挨拶のキス」は由来とはいえ、ディープキスでないと、効果なさそうだし、個人的には、あまりしたくないですね。
いずれにせよ、「ボリス」は「ラヴィック」への親密な愛情表現を示しているのですね。
劇中での激しい?「ボリス」のキスが、栄養面からだとしたら、「轟さんラヴィック」、ちょっと気の毒です。。
「ロシアの3回」は一般的(今は?)ですが、今回の舞台上は、関係なさそう。
「ハグ」や「キス」といった挨拶は、イタリア人やフランス人など、フレンドリーや愛情表現豊かな人柄のイメージがある国に多いと勝手に思っておりました。
「歴史的背景」色が濃く、互いに武器がないか確認しあうところから始まっているとは、中々興味深かったです。
「国同士」で挨拶をする場合は、気を付けないといけませんね。
さいたまんぬには、目下必要ないので、「宝塚の舞台」で、参考になる程度の知識です。「音楽学校生」の「最敬礼」には改めて、納得。
「天草四郎さん」の歴史の方が気になるものの、さいたまんぬ家の復旧に追われ、遠征後は、皺寄せが大きいです。。
「漫画原作」と違い、失礼ながら、「舞台」の方が、美化されてますね。。
それとも、美意識の時代の違い!?
さいたまんぬ