雪組公演について~災害の最中の上演を観て、功罪を思う~
災害時に上演することへの疑問を感じつつ、やはり観に行きました。
劇場入口で、最近、チケットは「もぎり(チケットの切り取り線で切る)」がなくなっていたのに、久しぶり、「もぎり」をしてました。
「観た人」という印かな、、、劇場案内係の人数も普段より多くて、緊張感漂う空気。
客席は、、、半分位。
真っ赤な座席(空席)で静かな客席。
B席から見た光景なので、偏見かもしれませんが、席の埋まり方に偏りがありました。
つまり、グループ観劇
・ファンクラブで朝早くから入り待ちしてた方
・終わった後、集合している団体っぽいお客様
の割合が多い気がしました。
さいたまんぬは、本日、B席でもセンター寄りの前列でしたが、その列は横の親子。1つ後列は、ご高齢のご婦人がお一人でした。
後ろのご婦人とお話しましたが、「12時に電車が運行再開したから、来れたの!」と仰ってました。
家を出る前、阪急電鉄のホームページはアクセスが集中していたので、運行状況は分からなかったのですが、阪急電鉄が復旧したから上演したのかなと思いました。
開演前に「劇場の総支配人」のご挨拶がありました。
内容は、「上演開始が1時間遅れたことへのお詫び」でした。
そして、終演後、列車の運行状況を「貼り紙」でお伝えするということでした。
終演後のアナウンスは、普段通り。
終演後に、「貼り紙」を見ると、
そして、劇場案内係の方に、お客様が、結構な人数で、ご意見を仰ってました。
「14時開演の発表が遅い」
ということでした。(立ち止まって聞いてはいないので、一部のみです。)
公演自体は、金曜日に観た時より良くなり、特に「ショー」の熱量は高く、客席も気のせいか、「ヒュー」みたいな掛け声が多い感じがしました。
(個人的感想です)
さいたまんぬも、過去の感想①②を上書きして、「ニャー」「グー」も、気にならないほど、のめり込みました。
表現は、適切ではないですが、サヨナラ公演のような、「一致団結した舞台」で、大感動しました。
「ショー」の一場面での「望海さん」のアドリブ。
本日は、
「今朝の地震は怖かったね~、でも来てくれてありがとう。だから忘れられない舞台にしてやるぜぃ~」(微妙に違ってたらごめんなさい)
と、気遣いに溢れ、観客もその言葉に、とても盛り上がっていました。
余震でいつ舞台が止まるか、開演前の不安も吹き飛ぶ、素敵な舞台でした。
ただ、終演後、観れた喜びと同時に、もやもや感が残りました。
・観れた立場なのに、観たことに対する後ろめたさを抱く、偽善者っぽさ。
・被害が少ない地域で、偶然劇場へ行けたけど、後から、知人の通勤時の状況の大変さや家の中の被害状況を聞いて、「大丈夫だった?」と聞かれた時の後ろめたさ。
以下の点においては、上演を決断した劇団に対して、感謝と誠意を感じました。
・舞台上のタカラジェンヌさんたちも、同じように怖い思いをして、それでも、観に来た観客に対して、プロ意識を持って、舞台を上演して(魅せて)下さった事
・遠征組以外でも、その日の公演を楽しみに、日程調整をしていた観客に対して、上演に踏み切った劇団の配慮
・開演前に比べて、終演後、観客が増えていたこと(遅れてでも観たいとかけつけたお客様がいらっしゃったこと)
(終演後、消防車が劇場を出て行ったので、万が一を想定しながら、細心の注意を払って、上演されたと思います。)
でも、「もやもや感」を含めて、以下の点で「上演」への疑問が残りました。
①阪急電鉄が運休していたので、来れない人がいることや安全面での不安を承知で上演に踏み切ったこと
②上演発表が遅かったこと
③払い戻し方法が煩雑なこと
④終演後、いつもより遅い終演時間になったからか、やや追い立てる感のある出口への誘導対応。(これは、「小うるさい」と言われ、自覚しているので気のせいかも)
⑤舞台を安全に進行させる事を優先すべきではなかったのか。
理由は以下のとおりです。
①「宝塚市」は周囲の自治体に比べて被害は少なかったものの、「念のため」、他の施設はエレベーターを止めたり、「幼稚園」は臨時休校にしておりました。
確かに、余震は、明日くるか、来ないかもしれないので、余震が続いていた状況ではなかったので、「安全確認後の上演」は問題ないとは思います。
②上演決定の発表時間が遅かったとはいえ、「上演予定」の段階で、どうしても観たい人はタクシーなど別の公共交通手段を使って、「中止」になっても構わない覚悟で来て待てば良いのだから、「観れる人」「観れない人」は客側が判断したと言われたら、そんな気もします。
③払い戻し方法を見て、「面倒だな」と思いました。
支払い時は、簡便化を進めているのに、払い戻しは面倒なのは、なんか納得いかない。
④終演後の対応は、気のせいかもしれないし、安全策なのかもしれないので、納得。
⑤は、劇団が「安全」と判断したのだから大丈夫なのでしょうが、周辺の施設に比べて、やや「冒険」と感じてしまいました。
この日限りの公演しか観れない事情は、他の施設とは違います。
代わりに「ライブ中継」なども難しいのかな、、と思うと仕方がないと思います。
①から⑤は、批判的ですが、個人的には観れた側で嬉しかったので、「もやもや感」に至ります。
上演決定の発表が遅かった事は仕方がないとはいえ、決まるまで、ホームページをずっと見ていた(暇な、いえスマホがないから仕方がない)「さいたまんぬ」。
劇場まで遠いと、イライラ感は尚更だと、分かります。
「観れた側」でも、文句を言う方々の気持ちも、分かります。
結果的には、本日は大満足な舞台で、「凱旋門」、「Gato Bonito!!」共に、2日間空けた後に観ると、新たな見方ができて、また前向きに感想が変わりました。
つまり、観て良かったんです。
だけど、感想を書くのに、熱く語るほど「もやもや感」が増えそうで、「観れなかった人」もいるわけで、公演は大満足でしたが、今日一日は、自粛します。
「震災の苦い思い出を忘れさせてくれた舞台」に対して、帰途が、100%スキップできなかった、「やりきれない公演」という意味で、本日は「もやもや」で終わります。
でも、今回は奮発して、明日(4回目)がラスト観劇です。
今日の感動を含めて、舞台を目に焼き付けてきます。
さいたまんぬ