「代表作」について~明日海さんから思ったこと~
よくスターさんの記事で「代表作は〇〇」って見かけます。
「ポーの一族」を観た時、さいたまんぬは、
「明日海さんの代表作になるな。」
と思いました。
そもそも「代表作」の定義って何でしょう?
使いつつ、漠然とした尺度で、記事によって、挙げる作品が変わることもあります。
「goo辞書」の定義では、
「ある人(時代)の特徴を最もよく示している作品、またはその中で最もすぐれた作品」
です。
ここからは、常套句になりますが
「あくまで、個人的な意見ですので、偏っていても妄想なのでご容赦ください。」
明日海さんの「エドガー」は、この定義にあてはまると思います。
多分、後世に「明日海さん」の名が挙がれば「ポーの一族のエドガーだよね」位、対多数の方の意見がほぼ一致すると思います。
goo辞書の定義にも一致してます。
・明日海さんの特徴を最もよく示している
さいたまんぬにとって、明日海さんは基本「美少年」が似合うと思うスターさん
・その中で最もすぐれた作品
「ロミオ」なども挙げられますが、演技の完成度の点を含め、まだエドガーより未熟。これまでの集大成かのように、明日海さんの魅力を引き立たせ、且つ技術で補強されていた。
「最もすぐれた」の定義を考えると、議論の余地があるので、ここではとりあえず、どちらかの条件を満たすということで、総合的にOKとして下さい。
で、「代表作」について。
これはどのスターさんを見ても思います。
①「代表作」は「運」も大きいな。
②「代表作」が「人気作」(集客数が良い作品)とは限らないな。
③「人気作」を「代表作」と言われることもあるな。
④「代表作」を出すタイミングって大切だな。
です。
特に「明日海さん」については
④「代表作」を出すタイミングって大切だな。
と思いました。
まだ、退団発表もされていないので、まるで前提にあるかのような語り口になってしまい、誤解を生んだらごめんなさい。
一方で、誤解を生む一因が④にあるとも思うのです。
ついでに、主に大劇場作品しか観ていないので、観劇した範囲内で抱いた感想であることもご了承ください。
そもそも、宝塚歌劇に限らずスターさんには
・代表作がなくても「スター」と呼ばれる人
・代表作が人気のきっかけとなり、「スター」と呼ばれるようになった人
がいらっしゃると思います。
「明日海さん」は前者です。
歌劇団は、いきなりほぼ無名の人を「抜擢」して、その作品でコケても、しばらく「抜擢」し続けるという、分かりやすさで、『「スター」は作られる』事を教えてくれます。
ただ、「抜擢」の根拠は様々で「華がある」と目立つ人を「抜擢」する場合が多いので、宝塚スターに関しては特に「華至上主義」のさいたまんぬは、ま、まぁOKです。
「華」と「ビジュアル」と「好み」の線引きが、個人的に曖昧なので。
「明日海さん」に話を戻すと、このお方、一言で語れない、「不思議様」です。
「ビジュアル」は抜群。
「抜擢」もされてました。
(「抜擢されそう」な雰囲気がある場合、「抜擢」というかは疑問。)
「実力派というほど、一芸に秀でてはいないけれど、コケずにこなす」
「一人っ子政策でもなく、「龍さん」と切磋琢磨?して意外と御曹司でもない」
「『春の雪』や『ロミオ』なども代表作と言われつつも、それと関係ない人気ぶり」
そう、「これ!!」という決め手がないけど、人気がある事に対する疑いの余地はないお方なのです。
明日海さんファン、100人に尋ねても、魅力点は、断トツ一位があるよりかは、色々な回答が寄せられるイメージです。
色々な魅力がある点で、さいたまんぬにとって「不思議様」で「やはりスター」なのかもしれません。
ちなみに、明日海さんの代表作については、
『春の雪』は観ておらず、写真や記事の評判を見ての想像。
『ロミオ』は、さいたまんぬの「役とハマってる人ベスト10」に入ってるから。
によります。
『エリザベートのトート』は、もし、「エドガー」がないまま退団されていたら、言わるかもと、思うのが、③(「人気作」を「代表作」と言われることもあるな。)です。
ただ、これらの作品以外にも、バウ公演で主演されたり、在団期間とスター路線期間が長いだけに色々な作品に出演されていらっしゃいます。
でも、代表作は?と聞かれたら、「ポーの一族のエドガー」と答えます。
『春の雪』はバウ作品で認知度がそこまで高くないし、『ロミオ』は役替わり公演だったからじゃない?
そうかもしれません。
ただ、バウ作品が「代表作」と言われるスターさんもいらっしゃいます。
確かに、一理あって、再演ものや博多座や中日劇場(再演作品多いですね)で「代表作」と呼ばれる評判を得ても、「代表作としての名声度」レベルが低い気がします。
例えば、これまた偏見ですが、
「瀬奈じゅんさん」の代表作は?と聞かれたら、
『さいたまんぬは、「あかねさす紫の花」の「大海人皇子」と思う。』
と、『私は』を冠につけます。
他の作品を挙げる方も多くいらっしゃると認識しているからと思います。
残酷な話、大多数が意見一致する「代表作」を得られる事って少ないです。
特に、宝塚歌劇は在団期間に限りがあるので、「トップスター」になるには、人気があるということで、そこそこの「成功作品」をきっかけにブレイクされています。
ただ、それが「ショー」であったり、新人公演の役だったりする事もあります。
「スターさん」には先述した2つのタイプがあるので「代表作」がなくてもトップスターになれて、人気も得ます。
ただ、やはり「代表作(ハマり役)」と「大ヒット(集客数)」が重なると、文字通り、「代表作」です。
という自論で、明日海さんの「代表作」を『「ポーの一族」の「エドガー」』としました。
・・・前置きが長かったですが、「タイミング」問題です。
「代表作」に出会える時期によって、スターさんたちの心の持ちようが違いますよね。
①新人時代、スター路線を走り始めた時、足踏み中の時など
「代表作」で自信を持ち、やる気が出て、トップスターを目指すモチベーションとなる。
②2番手時代
トップスターへの「王手」をかけることになる。
ファンもご本人も、安心感を抱き、舞台に、余裕と自信が溢れて、スター度アップ☆
③トップスター就任前期
劇団の観客動員数などへのプレッシャーに悩まれている人は、一安心する。
④トップスター就任中期から後期
達成感を感じ、「退団」の文字が頭をよぎる。
と、さいたまんぬが「自分がスターの立場なら」視点で思った事です。
なので、「明日海さん」の「ポーの一族」は大好きな作品となりましたが、④がよぎり、不安になりました。
「不思議様」と呼ばせていただいた位、人気の決め手を一言で言い表せなかったのは、「男役像」が曖昧でした。
それが、なんとなく、「明日海さん」の「男役像」が、さいたまんぬの中で、確立されました。
後押しするかのように、「男役として、完成の域に達している」などという記事の文言
を最近見かけるようになりました。
トップスターとしての在任期間や実力だけじゃない、
さいたまんぬの中で「明日海さんは男役像を究められた(とご本人も実感した)」
と思った作品でした。
元々、タカラジェンヌさんの目標はトップスター。
そこに到達した方の目標は「ゴール(卒業)」の定め方。
という妄想から、「ポーの一族」以来、不安感を抱いていたところに、先日の年末公演の発表。
「やっぱり!?」って思ってしまいました。
まだ、決まった訳ではないので、
『「タイミング」って大切』のもう1つの理由があります。
③のトップ就任前期に「代表作」を出すと、その後のご本人と組の充実度がアップします。
さらに「代表作」が生まれたり、相乗効果で、良い事づくしです。
①、②でも、その作品が再演されたり、喜ばしい事が起こります。
なので、『「タイミング」って大切』と思うに至りました。
「明日海さん」を例に出したのは、「今でしょ」というのは、まぁ、あります。。
ただ、それ以上に、さいたまんぬにとって「明日海さん」は、「不思議様」時代が長過ぎた為、「代表作」を待ち続けていた方でした。
色々な「男役像」を観て楽しめるのが魅力の宝塚。
「不思議な男役」も、魅力的ではありますが、やはり、一つの形が見えた方が、嬉しいです。
もちろん、ファンの方にはとっくに見えているかもしれないので、暴言ではなく妄言と、ご容赦ください。
だから「代表作」が出てからが、本領発揮の舞台が観れると、次回「メサイア」も楽しみにチケットを取りました。
で、もっと作品を観たいのです。
というわけで、「代表作」について、
今回は「タイミング大切」論を中心に綴りました。
さいたまんぬ