真風皇子の「壁ドン」への笑いに潜む、笑えない深刻な事態

これは、宝塚大劇場公演時に観た時、カイル皇子の「壁ドン」に客席から笑いが起こった事を元に書いております。

よって、今上演中の東京公演では、状況が変わっているかもしれないので、ご了承ください。明日、観て確認してきます。

宙組天は赤い河のほとり」の序盤に、「星風さんユーリ」に対して「真風さんカイル皇子」が「壁ドン」する場面があります。

ここで、客席から、笑いが起こりました。(爆笑ではない、小さな笑いですが)

勿論、さいたまんぬも笑いました。

笑った人の多くは、きっとヅカファンで「失笑」(思わず笑い出してしまう)の意味合いと思われます。

思い出しませんでした?

月組「All for One」で多用された「壁ドン」。

月城さんベルナルドの好演により、あの作品の見所にもなった「壁ドン」。

正確には「壁ドン」から生じた「壁」問題ですね。

(注釈:ベルナルドが、女性としての自覚が芽生えたルイに迫った時、ダルタニアンの「壁ドン」で恋に落ちたルイに「壁」を理由に断られた事から、自分に足りないのは「壁」だと勘違いな方向へ思い込んでしまう。それ以降「壁」にこだわり、美男子ベルナルドが3枚目になっていく姿に、作品の面白さ倍増。)

月組「All for One」、面白かったですね( ´艸`)。

月組公演をご覧になった方は、今回の宙組公演劇中の「壁ドン」で、月組公演の「壁ドン」を思い出して、笑いが込み上げませんでした?

でも、ふと我に返りました。

天は赤い河のほとり」は真面目な作品です。

正統派美男子の真風カイル皇子の「壁ドン」に客席が示す本来の正しい反応は、「胸キュン」で、あの場面は「萌えポイント」なはず。

「男役」は、現実世界の日本人男性が言わない、聞いてて恥ずかしくなるような台詞が似合う、現実にいない「理想の王子様」です。

ヅカファンは、キザで恥ずかしい台詞に「胸キュン」するのを求めて、夢の世界へ通います。

「壁ドン」は、ベタすぎる「胸キュン」シチュエーション。

「壁ドン」する男性は、「ハンサム」か、「女性が好意を抱く可能性がある男性」が行ってこそ、効果的な「技」であります。

下手に行うと、逆効果。

よって、効果的に使える生身の人間なら「宝塚男役」の右に出る者はいない!!

つまり、宝塚歌劇において「壁ドン」は、「男役」が習得すべき「古典的な技」なのです。

それが、月組公演の「壁ドン」により、「ギャグ技」になってしまったのです。

その事実が発覚したのが、宙組のカイル皇子の「壁ドン」でした。

小柳先生も、過去の作風から、今回は意図的に、少し月組「All for One」を意識されているかもしれません。

ただ、原作では、「ユーリ」は「カイル皇子」の「壁ドン」にドキドキし、異性として意識する場面で、決して笑う場面ではありません。

月組公演がなかったら、あの場面は間違いなく、「胸キュン」で「萌えポイント」になっていたと思います。

東宝ミュージカル「王家の紋章」でも「壁ドン」シーンがあり、さいたまんぬは勿論「胸キュン」しました。

演じられていた浦井健治さんが「宝塚男役のライバル」になるかと危惧した位、格好良かったです。

なので、「胸キュン」は、まだまだ、正統派が現役です。

見ていて「恥ずかしいわ」という失笑なら、男役として「技」が未熟ですが、真風皇子は格好良く、全く問題なし。

つまり、小池先生が宝塚歌劇における古典技「壁ドン」の定義を変えてしまわれたのです。Σ(・□・;)

結構、大きな罪だと思いません?

小柳先生も、ちょっと共犯っぽさが臭うものの、根源は月組作品、小池先生です。

多分、今後の作品で「壁ドン」が出てきても、しばらくは、笑いが起きる気がします。

それほど、「壁ドン」の解釈を変えて、インパクトを残した小池先生の偉大さには、改めて尊敬の念を抱かざるを得ません。

しかし、「壁ドン」はたまに「笑い」で見るのはいいけれど、夢を与える宝塚歌劇の舞台では、やはり「胸キュン」場面でいて欲しい。

「壁ドン」の定義を元へ戻すには、ものすごいベタな物語で、もう一度使用してください。

小池先生、ご自分の責任はご自分で取って下さいね。

近々だと、、、「エリザベート

「トート」が「エリザベート」に「壁ドン」

あるいは、月城さんルキーニが「壁ドン」

奇しくも月組

もし、笑いが起きたら、超深刻です。。

 

さいたまんぬ

 

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