「エリザベート」と小池修一郎先生についての考察②
②を書く前に、一言お断りを申し上げます。
さいたまんぬは、「観劇友ゼロ」です。
よって、情報は、メディア(新聞・雑誌)、観劇時に隣に座った人位です。
ブログを始めて、「ブログ」という新たな情報源の素晴らしさに、情報格差による精神面における宝塚充足度格差を痛感しました。
なので、書いている内容に、
「そんなこと、今頃言ってんの?遅いんじゃね?」
と馬鹿にせず、
「一般人の情報レベルはこの程度なのね。」
と、思っていただけたら幸いです。
というわけで、次回「エリザベート」月組公演は、宝塚歌劇では10回目の上演ですね。
10回目・・キリの良い数字。
ホームページにも「記念すべき10回目の上演となる・・・」と記載されてる。
さすが劇団!予防線を張ってますね。
これは、10回目記念ということで、サプライズな演出の加筆修正、前夜祭.etc、何かしら、マスコミへのアピールと観客取り込み作戦は、水面下で始まってそうですね。
さいたまんぬとしては、演出の大幅加筆修正を希望します。
現時点でのホームページ画面では、「潤色・演出:小池修一郎」のみで、前回のように別の演出家先生が演出されるかは、分からないです。
そこで、「小池先生の演出」について、改めて考えてみようと思ったのですよ。
まず、10回目「エリザベート」演出の、超大幅改変はないと思います。
さいたまんぬ案、却下(涙)。
「宝塚歌劇を観るにあたっての心得~原作捻じ曲げ」からすれば
②トートとフランツの役替わり公演
③エリザベートが2人に分裂(スカーレット参照)
④フランツが主役
位は、不可能ではないと思うのです。
ただ、以下の理由で不可能なんでしょうね。
・版権上の問題
・脚本修正における、多大なる時間と労力の負担に対する費用対効果
・演じ手の負担(②)
・小池先生の演出の特徴
最後の「小池先生の演出の特徴」にさいたまんぬは注目しております。
小池先生、もはや日本のミュージカル界では欠かせない、大御所になってしまわれましたね。近年、外部ミュージカル(宝塚歌劇ファンからすると外部ですが、ホントは宝塚歌劇がミュージカル界の外部?)に、アイドル的なスターが増え、ミュージカルファンが若干増えた気がするのも、この御仁の尽力の賜物とまで言うのは過言でしょうか!?
小池先生の出世作は、「エリザベート」であることは、言わずもがなですね。
代表作としては、主観ですが、
①潤色
「エリザベート」「モーツァルト!」「スカーレット・ピンパーネル」「ロミオとジュリエット」「1789」
②脚色
「太王四神記」「オーシャンズ11」「銀河英雄伝説」「るろうに剣心」「ポーの一族」
③脚色よりの脚本
「PUCK」「グレート・ギャツビー」
辺りかと思います。
「潤色」「脚色」「脚本」の定義を厳しく指摘されると、答えられません。
格好つけてみたかっただけです、ごめんなさい。
①②③の違いに、ちょっと共感を得られたらなぁ、と思った程度の振り分けです。
代表作をざっと並べて気付いたのが、人気順位も①⇒②⇒③じゃね!?
そこで、ちょこちょこ耳にするのですが、改めて
小池先生は「潤色の妙手」
というのが、さいたまんぬの評価です。
(さいたまんぬは小池先生好きなので、決してマイナス評価ではないです。)
そして、「万人受け=大衆の受け入れやすい」作品作りが上手です。
「万人受け」をどの程度、意識されているのか、小池先生の「自伝」待ちなので、分かりません。
観客を呼び込む上での「プロ意識」と捉えるか、玄人受け作品を輩出する演出家からすれば「観客に取り入る」になるのか、その点の優劣は、同じ土台で評価できないです。
お財布事情を抱える貧乏ヅカファンとしては、ヅカ萌え度が高く、コスパの良い作品を輩出して下されば、何も言う事ないです。
で、そんな小池先生像と作品を観て思うのが、優等生な演出家であることです。
賛否の分かれるような作品は作らない。
なので、「エリザベートが二人」なんて、ぶっ飛んだ発想は、頭の片隅にも浮かばないと思われます。
「スカーレットが二人」というぶっ飛んだ作品を成功させた植田先生は、実はかなり個性的な演出家であることに気付きました。
オレオレ系作品で且つ受け入れられるって、枠にはまった優等生にはできない技なので、憧れます。
くどいですが、小池先生好きなので、この発言も先生への批判では決してないです。
ついでに、植田先生ファンでもありません。
次に、小池先生は「役者の持ち味を見極め、長所を最大限に引き出すのが上手」です。
優等生演出家ですが、「歌劇」などの記事で見られる小池先生の発言は、意外に直球で、時に微妙な位過激だったりもします。
プロの演出家として、発言OK!とGOサインが先生の中にあるのでしょうね。
小池先生の役者さんに対する評価が滲み出ています。
しかも、生意気な発言をさせていただきますと、「的を得ている!!」
さいたまんぬなど、市井のファンのつぶやきは、雑音に過ぎません。
その点、発言の影響力が超巨大な先生なのに、直球でかなり微妙なニュアンスの発言をしていらっしゃる時、「おぉ、よくぞ仰って下さった」と、雑音内でつぶやきます。
ただ、的確に役者の持ち味を見極め、長所を引き出すって、すごい才能ですよね。
まさにオーケストラの指揮者です。
タカラジェンヌの全生徒数と外部俳優の人数からすれば、神業。
・・また収拾が付かなくなってきたので、③へ続くことにします。
一応、②の結論としては、劇団の「エリザベート」要請で、構成メンバー的に無茶ぶりされても、結果的に成功させてきたのは、
・小池先生の演出指導の賜物
・あまりに無茶ぶりだと、脚色したくなるが、優等生的に、配役の抜擢程度
・抜擢には、文句を言わせないレベルに劇団内で力を付けられている
からでしょうね。
さいたまんぬ