「エリザベート」と小池修一郎先生についての考察①

次回の月組公演は「エリザベート」ですね。

愛希さんの退団へのはなむけと、それに乗っかって、一儲けしようという歌劇団の思惑がチラチラ見えるのは、さいたまんぬだけでしょうか?

娘役にスポットが当たることの少ない男役社会において、娘役にエリザベート役が割り当てられるのは、トップ娘役として、勲章の証。

月組への貢献度が高く、劇団の信頼も厚い愛希さんに「勲章」を渡さずにいるはずがないですね。

退団会見の際、退団される方を理事長が紹介する文言から、劇団の気持ちが伝わってきます。

あまりに事務的な時は、「お世辞とまではいかなくても、もう少し、ヨイショしようよ・・」と思ってしまいます。

愛希さんの時は、個人的な感情が含まれた、実に愛情深い紹介で、ヅカファンでなくても、「この人すごいんだな」と分かるような、大絶賛ぶりでした。近年の男役トップスターでも、ここまで称賛されることは少なかったので、この方はつくづく恵まれているな~と思ったものです。

(引用~日刊スポーツ2018年1月16日)

世界的な演出家トミー・チューン氏が手がけた「グランドホテル」のヒロイン役で同氏が愛希を絶賛した。「彼女はすばらしい。ブロードウェーの舞台に立てる。後は言葉さえ覚えればいい」

「(宝塚)音楽学校の生徒も、一番あこがれで名前が多く出るのが愛希」と言い「尊敬され、あこがれる娘役でいてくれた」と感謝。

“ごほうび”として「スペシャルステージを用意した」と言い、劇団では異例の主演舞台も用意。 その“ごほうび”として「スペシャルステージを用意した」と言い、劇団では異例の主演舞台も用意。(宝塚バウホール主演公演「愛聖女(サントダムール)」)

 (小川理事長の文言等を一部抜粋)

就任時の大抜擢への批判や不安の声は、すっかり払拭され、宝塚を代表する娘役と言われても過言ではない、魅力あるスターになられた愛希さん。

その絶賛ぶりに、異論はないものの、他の退団会見の際にも、美辞麗句をもうちょっと使ってあげて欲しいです。トップスターさんは皆、命を削って、血を吐くような努力の積み重ねと共に、組を束ねて、劇団に貢献されていたのですから。

さておき、もはや「エリザベート」は、「ベルばら」「風共」と並ぶ十八番作品。

ドル箱公演なので、定期的に上演したいですよね。

版権代、もう充分、元は取れてると思うんですけどね。

(ここからは、主観が強いので、これはさいたまんぬの独り言ブログなので、ご容赦下さい。)

もはや、役者ありきでなく、作品が先行するので、配役を悩んでるのがよく分かります。

今回も、愛希さん「エリザベート」から逆算して、配役を決めたと思われるのですが、珠城さんは当然トートですね。

・・・美弥さんがトートの方がワクワク感ありません?

・・・珠城さんトートは「新たなトート像を築いた」「また新たなトートが誕生した」って観劇評が掲載される予感と、ハラハラ感ありません?

・・・同じ「ハラハラ」なら美弥さんルキーニ、月城さんフランツを観たいと思いません?

暁さん、「一皮剥け」待ちなんて、言ってる内に、風間さんと、ルドルフのWキャスト。

ダンスも特にないですし、ここ、正念場ですね。

.etc

でも、そもそも愛希さんの持ち味と「エリザベート」が合ってるのかな?

明るくてチャーミングで、「死」が付きまとうなんて無縁そうなのですが(失礼)。

ちなみに「死」役の方も「死」とは無縁に健康的な方ですね(失礼)。

確かに人物像が深く描かれている魅力的な役で、役者ならやってみたい役だろうし、ビジュアル面での選別が厳しく(最近少し緩んでる!?)、できる人は少ないので、まさに「娘役冥利に尽きる」役ですよね。

愛希さんなら、どう演じるか観てみたい!という気持ちはあります。

ただ、最近の「エリザ」連発は、配役に無茶ぶりが多いので、今回も同じ思いを抱いてしまいました。

結果的に興行成績は良く、評判も良く、演じる側もご満足なので、「大失敗でした~」の空席だらけ、にはならないので、歴史は繰り返されるのですね。

ただ、前回宙組公演(2016)から、小池修一郎先生は演出を一歩退き、小柳先生にバトンを渡されましたよね。

され「後進に譲る」と言えば聞こえが良いですが、「小池先生は匙投げた?」と思ってしまいました。小池先生は、「エリザベート」を踏み台に、外部の東宝ミュージカルに精力を傾け始め、配役・すみれコード等に制限の多い宝塚歌劇の前線は退いた気がします。

演出家として、知名度を全国区にあげ、力をつけたので、オリジナル作品(意欲作と意訳される宝塚歌劇の前向きさが好きです)は、ホームグラウンド(宝塚歌劇)で上演し、自由がきく外部公演に心移りされてしまわれたような(涙)。

まぁ、親戚の東宝で、有楽町内の劇場なので、チケット代以外は文句を言いません。

伝説の「花總さんエリザベート」が再び観られたのも、先生のおかげです(拝礼)。

花總さんが、年齢不詳の美貌を保っておられたおかげでもあります(最敬礼)。

愛希さんがこれまで演じられた役は、偶然か演出家かの希望か、愛希さんに合うだろうと予測できる役柄が多く、いわば出来レース的でした。ただ、彼女の実力で予想以上に良い結果を出してきたという事は素晴らしいと思います。

その点では、これまでとは違います。

エリザベートは、役自体に大きな個性があるだけに、役にすり寄る必要があります。

というわけで、愛希さんがどう演じられるか、非常に興味があります。

「ワクワク」と「ハラハラ」なら「ワクワク」の方ですね。

また、「エリザベート」上演後、組の歌唱力がアップするのも確かなので、良い事ですね。

さいたまんぬも、「ミルク」の場面の一市民として出演したい位、作品に出られるだけで嬉しいという想いはジェンヌさんたちも抱いておられるでしょうし、サヨナラ公演なら、熱量も上がって、盛り上がりそうですね。

・・収拾つかないので、①としました。

最近の「エリザベート」連発に対して思うことや小池先生の演出力について、つぶやきたかったのですが、脱線しすぎました。

ではでは②へ続きます。

 

さいたまんぬ

 

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